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保育士、虐待観察にっき。  作者: みょんたま
武田ゆみ先生の場合。

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9/9

作業部屋で一人泣く①

「証拠は?」と聞かれて、私は言葉が出なかった。


 そして、「証拠はありません。でも、保護者様に聞いていただけないでしょうか?」と言うと担任が呼ばれた。


 担任の先生に園長はこう言った。


「この武田先生がな。影でコソコソあんたらの悪口言うてきてんねんやんか。あかんなぁ?って教えてがあげてたとこです。」


 私は心臓が、ぎゅっと、つきりと痛んだのを感じた。涙を堪えた。


「先生それなぁ。陰口なぁ、この園ではやめてほしいねんか。」

「これは陰口ではありません。指摘です!」

「そんなもんその場で言わへんかったら陰口です。ほら、担任の先生に謝りよし。」


 私はぎゅっと手を握って、そして白くなっていく拳を眺めた。


「いや、良いですよ、反省されてるみたいですし…あの、もう少しでおやつの時間なので、行っても良いですか?」


 担任の先生は、去っていった。

 

 その帰り。私は車の中で悔しくて泣いた。

 負けたくなかった。

 一人の親として、大人として、社会人として、もっと反抗すればよかった。もっと口達者に対抗したかった。でも唇が震えて、何も、言い返せなかったのだ。






 その翌日、出勤するとフリー保育士としてシフトが変更されていた。


 そして名前の下に、こうあった。




 <作業部屋>



 私は、全部屋から、締め出されたのだ。





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