魔王は祭りに参加する
今日は迷宮祭、当日だ。
「おはよーございまーす!!お祭りですよー!」
俺の前に祭り娘がいる。そして、この言葉を耳にしてタコができるほど連呼している。
「色々なダンジョンがありますけど、どのダンジョンに行きます?」
「勇者のダンジョン。」
「あの不思議なダンジョンですか...確かにお金は稼げそうですね!そこにしましょう!」
「あたしはどこでもいいけど、あそこは嫌いだねえ...あたしだけ別のところでいいかい?」
「はい、強制はできませんので、自由に決めましょうー!」
「あいわかったよ。じゃあそうさせてもらうよ。」
俺クラルテが不思議なダンジョン。
プロミネが別のダンジョンで二手に分かれることになった。
「さあ!迷宮祭の始まりだー!! みんなダンジョンへ急げー! 稼ぐのは今じゃなくていつ稼ぐー!!!」
「「「「おおー!!!」」」」
ダンジョン周辺は冒険者たちが、激流の川のように次々とダンジョンへ流れて行く。
だが不思議なダンジョンは物好きな人しか見つけられないところにあるため、さっきの騒ぎが嘘のように静かだ。
「さあ、早速中に入りましょう!ヴェセル様!」
「ああ。」
クラルテと二人きりになるのは久しい。
そう感じながら、俺たちはダンジョンの階段を下りる。




