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魔王は魔王
俺たちは村に入った。
すると先ほどの茶色い、なにか違和感を覚える女性が近づいてきた。
「ようこそ、牛村カルビへ。私は豊作の勇者。ここに住んでいるんだ。案内するよ。」
「あっ、お願いします!」
女性はそう言い、俺たちを案内する。
俺が何故魔王とわかったのか聞こうと思ったら、クラルテが先に話しかけた。
「すみません、なんで魔王ってわかったんですか?」
俺と同じ質問だ。
「ああ。それはね私が勇者だからさ。勇者と魔王や勇者同士、魔王同士はお互いに惹かれ合うんだ。昔、勇者と魔王は争っていて、その名残って言われてる。今は勇者も魔王も普通の人も身分に違いはなくなったのさ。」
「そうなんですね。だからわかったんですか。」
「そうだね。私は豊作だが、そっちは何を司っているんだ?」
「はい。魔王様の名前はヴェセルって言うんですけど。ヴェセル様は何かわからないそうです。」
「おかしいねえ。勇者と魔王は自分の属性を生まれた瞬間に頭に叩き込まれるんだけどねえ。」
「そうなんですか?」
「ああ。まっ、何事も例外はあるもんさ。」
そう言って話は終わった。
俺の属性...
やはりわからない...
でもやはり俺は魔王であっていた。
それがわかっただけでも、俺が俺である。そんな感じがする。
まだ俺たちは、豊作の勇者に案内されている最中だ。




