魔王は変える
俺たちはサディス城に向かっている。
「そういえばヴェセル様。」
「なんだ。」
クラルテが急に言ってきた。
「この前、顎から角を出しておヒゲにしましたよね?」
「ああ。」
「もしかして、私の角みたいにねじ曲がった感じにもできるんですかね?このねじ曲がっている角、私のチャームポイントだと思うんです!」
「そうか。」
チャームポイントなのか。
とりあえずクラルテの角を意識して生やす。
「やってみる。」
「はい!お願いします!」
ニョキニョキ
「どうだ。」
「わー!私の角みたいです。でも少しゴツゴツ感が足らないですね!出直しです。」
「ああ。」
何故か、出直しをくらった。
「それは冗談として、本当に形も変わるんですね!」
「ああ。」
「ヴェセル様は翼も出せましたよね?もしかして飛べるんでしょうか?」
「やる。」
俺は翼を出す。俺の翼は柔らかい羽根に
覆われている。大きさは片翼で俺の胴体ぐらいだ。
翼を羽ばたかせてみる。
ばさっばさっ
飛べた。少し魔法を使った時のような、体の奥の力も使われている感じがした。
「わっ!やっぱり飛べるんですね!私も翼が欲しいです!」
「そうか。」
俺は地上に降りる。
クラルテはその場でぴょんぴょん跳ねている。
サディス城はもう近い。




