魔王は風をおこす
ありがとう
出航した。
「ヴェセル様!海を見たくないですか?今から甲板に行きましょう!」
「ああ。」
クラルテはそう言って俺の手を引き、甲板に出た。
「この船は自動で風を起こして帆を張って進むらしいですよ!なので帆を見ましょう!」
「ああ。」
少し移動し、帆の見えるところについた。
確かにそこだけ風が吹いている。
「すごいですね!本当に自動で風が吹いていますよ!」
「ああ。俺もできそうだ。」
「そうですか!......って、え?」
出来そうだと思った俺は、風が吹くように意識しながら力を放つ。
びゅおーーっ
魔法が出ると風がさっきよりもかなり強く吹いた。
気持ちのいい風だ。
「ヴェセル様、すごいですね!こんなこともできるなんて!」
「できそうな気がした。」
「そうなんですね。ヴェセル様の魔法って不思議ですね。」
「俺は木を揺らせて、芽を生えさせて、風が出せる。」
「そうなんですけど、共通点が無さすぎですよう...ヴェセル様の魔法はどんな種類の魔法なんですかねぇー?」
「知らん。」
「そうですよね!でも旅はまだ始まった。ばかりですよ!おいおいで大丈夫です!」
クラルテはそう言い片手をあげる。
もう暗くなってきた俺たちは部屋に戻り、俺は本を読む。
せんきゅ




