魔王は宿で食べる
しばらくは毎日更新っす
俺たちは宿屋に入った。
「いらっしゃい。昼食かい?泊まりかい?」
宿屋の女将が聞いてきた。ここではご飯も食べられるようだ。
「泊まりでお願いします!二人で一週間分です。」
「二人で一週間ね。船に乗るのかい?」
「はい。なんでわかったんですか?」
「いやぁ、ほかのお客もみんな船が来るまでって言ってるからね。あんたらもそれかと思ったんだよ。」
「そうなんですね。お値段はいくらですか?」
「そうだね。二人で一週間一部屋なら大銀貨二枚だね。」
「はい、どうぞ。」
クラルテは大銀貨を二枚手渡した。
「はい。確かに受け取ったよ。」
「すみません、ご飯も二人分いいですか?」
「はいよ。じゃあ大銅貨5枚だね。」
「どうぞ。」
「よし、それじゃあ席について待ってな。」
それだけ言うとカウンターの奥の厨房に入っていった。
「ご飯何がくるのか、楽しみですね!」
「ああ。」
実を言うと俺はご飯を食べなくても生きていける。そういう魔王もいるらしい。
こうやってご飯を食べるのは娯楽や趣味としてだ。
「はいお待ち、宿の女将特製ミートソーススパゲティだよ!」
テーブルにドンと二皿、ミートソーススパゲティというものが置かれた。
見た目はスパゲティという麺にミートソースというタレがかけてあるだけだ。
「いただきまーす!」
「いただきます。」
手を合わせ俺たちはミートソーススパゲティなるものを食べる。
チュルチュルッ
美味しい。ミートソースというものから程よい味が出ている。ひき肉もいい感じの大きさで食べやすい。スパゲティ自体に味はあまりないが、丁度いい歯ごたえだ。
「ヴェセル様!美味しいですね!私の家では食べたことありません!」
「ああ。美味しいな。」
クラルテの意見に同意する。
こうしてその日は荷物を整理して寝た。
俺はクラルテに借りた本を読んでいたが。




