魔王の武器
俺はおじいさんの方に耳を傾ける。
「お前さんはな...」
「ああ。」
随分ともったいぶる。
「属性がわからなんだ。」
「ふむ。」
「だがお前さんに合う武器はある。」
「ほお。」
ここでも属性がわからなかった。
でも、おじいさんはそっち専門ではなく、造る専門だ。
仕方ない。
それよりも俺に合う武器、それが気になる。
「武器は?」
「ああ、お主の武器はこれじゃ。」
そう言うと、俺は何か得体の知れないインゴットを渡された。
角で殴る物理兵器だろうか?
「それはな、とある人がお前に渡してくれと言われたものだ。その人はお前さんに遭わずに渡したかったようじゃ。」
「ふむ。」
誰だろうか?
俺に親しい人など、誰がいただろうか?
いや。
親しい人は、クラルテとプロミネ、二人がいる。
だがその他の人に親しい人がいたであろうか?
否、いないはずだ。
「名前は?」
「いや、名前も教えてくれなかった。小さい少女、赤い髪の女性、白い髪の男性。この組み合わせの中の男に渡せ、とだけだ。わしは受け渡し屋ではないが、賃金をもらってしまっては、渡さざるを得ない。だからこうして渡したというわけじゃ。」
「そうか。」
俺たちはそれから宿をとり、飯を済ませた。
もらったインゴットの使い方はなんであろうか?
ともかく麻袋に入れ、大事にとっておく。