三十話
「よろしく。」
橙は一番後ろの席の隣の女子に話しかけ会釈した。
まだ皆は呆然としていた。
この学校に男子用の制服があったのも初めて知ったのだ。
先生はその事情と言うものは教えてはくれなかった。
周りもそんなに重い理由があるのかと思うと、安易に聞く者はいない。
ただ、この学校でたった一人、男子の制服を着ている彼女はなんだかとても魅力的に感じる者もいた。
髪も短くはっきりした顔立ちの彼女は、休み時間お姫様に憧れる女子に取り囲まれた。
「ねえねえ橙さん!その格好にあってますね!!」
「かっこいいですね!!本当に女の子ですか?」
「かっこいい!」
女子が彼女を囲む。
「なんか、不思議な人だね。」
遠目で見ている桃子は、宮桜ににっこり笑った。
「ええ…。」
「あ、あんただよね。」
「え?」
すると、橙はその囲みから立ち上がり、桃子の前に来た。
桃子もまた初対面の彼女にキョトンとしていた。
「よろしく。」
「?」
桃子はわけもわからぬまま彼女と握手を交わす。
「いや、学校一の人気者の噂は外にも聞こえてたからさ。やっぱイケメンだね。」
「あ、ありがとう…。」
「橙さん!!駄目ですよ!桃子さんは皆の人気者なんです!!」
「そうだよ!桃子さんだけは好きにならないでね!!」
「こわーい過激派もいるんだから!目を点けられたら学校来れなくなりますよ!」
「ふーん。面白そう。」
橙はそう言って笑った。
「なんか変な人。」
ミシルはボソッと呟いた
「どういう風の吹きまわしかしらね。」
「え?」
「ミシルちゃん。あの橙って人には近づかないで。」
突然、さきゅばすはミシルに耳打ちをしてきた。
「どうして?」
「駄目よ。近づいてきたら逃げて。話しかけられても逃げて。」
「…。」
みしるはいつになく怖い顔のさきゅばすに頷いた。
「この学校どうなるのかしらね。あんな人まで来ちゃったら。」
「どういう事?」
「みんな死ぬんじゃないかしら。」
「…。」
「よろしく。」
橙は一番後ろの席の隣の女子に話しかけ会釈した。
まだ皆は呆然としていた。
この学校に男子用の制服があったのも初めて知ったのだ。
先生はその事情と言うものは教えてはくれなかった。
周りもそんなに重い理由があるのかと思うと、安易に聞く者はいない。
ただ、この学校でたった一人、男子の制服を着ている彼女はなんだかとても魅力的に感じる者もいた。
髪も短くはっきりした顔立ちの彼女は、休み時間お姫様に憧れる女子に取り囲まれた。
「ねえねえ橙さん!その格好にあってますね!!」
「かっこいいですね!!本当に女の子ですか?」
「かっこいい!」
女子が彼女を囲む。
「なんか、不思議な人だね。」
遠目で見ている桃子は、宮桜ににっこり笑った。
「ええ…。」
「あ、あんただよね。」
「え?」
すると、橙はその囲みから立ち上がり、桃子の前に来た。
桃子もまた初対面の彼女にキョトンとしていた。
「よろしく。」
「?」
桃子はわけもわからぬまま彼女と握手を交わす。
「いや、学校一の人気者の噂は外にも聞こえてたからさ。やっぱイケメンだね。」
「あ、ありがとう…。」
「橙さん!!駄目ですよ!桃子さんは皆の人気者なんです!!」
「そうだよ!桃子さんだけは好きにならないでね!!」
「こわーい過激派もいるんだから!目を点けられたら学校来れなくなりますよ!」
「ふーん。面白そう。」
橙はそう言って笑った。
「なんか変な人。」
ミシルはボソッと呟いた
「どういう風の吹きまわしかしらね。」
「え?」
さきゅばすはため息をついた。
しばらくして、彼女の噂は他のクラスにもあっという間に渡った。
男子学生服を着た男っぽい女の子がやってきたとなると、また過激派が押し寄せるように、左右の戸は人で溢れた。
「橙さん!!」
「かっこいいかも!!」
「なんで男子学生服!?」
休み時間、人の数はとんでもないことになっていた。
「凄いモテモテで困っちゃうなー。」
と橙は笑っていた。
「橙さん好きなタイプは?」
彼女を囲んでいた女子達は一斉に顔を近づけた。
「従順な子かな。それでいて可愛い子。」
橙はそう笑う。
「私とか!尻にひかれるの大好きですよ!」
「そう。君はどっち?」
「不死身です!」
「じゃあ駄目だ。俺はロボット愛好家だから。」
「ロボット愛好家?」
その発言に囲いはシンと静かになった。
「でも、君がロボットになるなら考えてもいいかな。」
「え?どう言うことですか?なります!橙さんの彼女になれるなら!」
「本当?本気にしちゃうよ。」
「なんの冗談の話?」
「きっとロボットくらい従順な娘が好きってことよ。」
と、周りは都合のいいように解釈していた。




