二十五話
「宮桜。私は辞退するよ。」
放課後、体育館からの音楽が流れる中、桃子は残念そうに答えた。
2人はそれを聞き流しながら校門を出た。
「出ないの?」
「私はいいけど、君にまで危害が加わったら…。」
「私は出たい。」
宮桜の以外な言葉に桃子は驚いた。
「本当に?」
「だってあんなこと言われて悔しい。それに、これで怖気付いてたらあの子達の思う壺よ。」
「確かに。でも、出たら出たで何されるかわからないよ。あの人数で来られたら私もどうしようもない。」
「いいわ。屈したくないもの。出ましょうよ。」
「…。」
桃子はその見たことのない宮桜の力強い表情に奪われた。
「分かったよ。やれる所までやってみよう。それと私にいい考えがあるんだけど。」
「何?」
桃子は宮桜に耳打ちをした。
仮装大会まであと28日。
今日は完全にオフの日。
ミシルとさきゅばすはお店巡りをしていた。
今日はコスプレグッズが置いてある大きなショップへ来た。
「ねえねえ。何にする?」
「さきゅばすちゃんは?」
「私小悪魔ガールやろうかな。」
「小悪魔?」
「これ。」
と、夜のお店で働く女性が着てそうな紫のドレスを選んだ。
「これを家でアレンジしてみようかなって。ミシルちゃんはどうしようかな。やっぱりイメージ通りの可愛いのがいいかな。天使でいいんじゃない?」
「天使?」
「私悪魔だから。ミシルちゃんは天使。でも既存のものだと誰かと被るのは嫌だから少しはアレンジしないとね。」
と、白いドレスを一着手に取った。
「私のお家でアレンジしましょ。」
2人はその後もそれぞれの衣装を購入すると、さきゅばすの家へと向かう。
「私の家案外学校から近いのよ。」
と、そのまま荷物を持ったまま学校近くの住宅街へと歩く。
ミシルもさきゅばすの家へ行くのは初めてだ。
「ここよ。」
「すごい。」
ミシルは感動していた。
なんと、さきゅばすの家は一軒家だった。
「驚いたでしょ?私の家なの。」
「すごい…。」
「いつか私とミシルちゃんの愛の巣にするつもりよ。でもまだ設備が整ってないからもうちょっと待ってね。」
さきゅばすはそう言いながら玄関の鍵を開けた。
「はいって。リビングで好きにしてていいから。」
ミシルはさきゅばすの後ろにくっついてリビングに向かう。
すると、白を基調とした上品な部屋が目の前にあった。
「すごい。チラシのままの部屋だね。」
「でしょ?こだわったの。一人で住むにはむなしいけど。」
「…。」
ミシルの目はキラキラ輝いていた。
「ふふ。こっちに来てみて。」
と、ミシルの腕を引っ張った。
違う部屋に行くと、そこには大きなベットがあった。そこもまた白を基調とした上品な部屋だ。
「ここは私とミシルちゃんの寝るところよ。将来のね。」
「さきゅばすちゃんは大金持ちだったの?」
「元々はよく稼いでたの。うふふ、これから楽しみ。」
と、ミシルの腕に抱き着いた。
「さ、これから衣装の準備しよう。きょうりんに絶対勝って見せる。」
と、またミシルを連れてリビングに戻った。
次の日
「え?桃子さんが仮装大会に出場しない?なんで?」
一年の教室。
きょうりんは驚いた。
「もめ事になるのが嫌だからって。」
親衛隊メンバーの一人の女の子も少しがっかりしている。
「まあでも桃子さんが宮桜と一緒になるくらいならその方がいいかもね。」
「えー、でも私は見たかったな。桃子さんの仮装衣装。」
「きょうりんはいいじゃない。パートナーがいて。私もこんなことやってないで新しい子見つけようかなあ。」
「ふふ。そうしたら?」
「でも私理想高いからな桃子さんみたいな子現れないかなあ。」
その子はそう言ってため息をついた。




