二十二話
「あら?可愛い。」
きょうりんは2階の教室から校舎外を一人歩く女の子を見つけた。
「何あの子…。」
きょうりんはその子の可愛さに見惚れていた。
「食べに行こう!」
きょうりんはすぐさま教室から出て、金髪の髪を長く伸ばした女の子に会いに行くことにした。
「ねえ!待って!!」
一階に着くころには、その子は職員室の前にいた。
1人でいる彼女に近づくと、その子は青い目を丸くした。
「あなたどっち?」
きょうりんは可愛らしく首を傾げて彼女に聞いた。
「生徒です。」
「分かってるわ。不死身?ロボット?」
「不死身です。」
「そう。」
きょうりんはその言葉を聞いた途端にやりと笑った。
「見かけない顔ね。転職してきたの?」
「はい。前の職から。」
「どこのクラス?」
「1-3です。」
「私と一緒じゃない!!」
きょうりんのテンションは一気に上がった。
「お名前は?」
「コロラド。」
「コロラドちゃん?よろしく!私きょうりん!きょうりんでいいわよ。コロラド。」
「よろしく。きょうりん。」
コロラドは笑うと、きょうりんにお嬢様っぽく挨拶した。
「コロラドはどうしてここに?」
「私、前の学校でうまくいかなくて。」
「可愛すぎて?」
「わかんない。私あまりにもみんなと違うから好奇の目で見られてて。」
「こんなに可愛いのに。でもこんな綺麗な金髪と青い目見たことないかも。レアだね。」
「そうかな。皆も個性的だと思うけど。」
「嫉妬されてたんでしょ。まあ私が仲良くしてあげるから安心して!」
「ありがとう。」
コロラドはまたニコッと笑った。
「コロラドと言います。よろしくお願いします。」
授業が始まる前、ホームルーム時に先生に連れられ教室にやって来た彼女は、やはり皆の目を輝かせた。
この不死身の国では、昔の人類のように金髪と青い目に憧れる傾向があるのだ。
休み時間になると彼女は何人かの女子に囲まれて質問攻めされていた。
きょうりんもそれに参加しようとしたが、先に誰かに肩を叩かれた。
「きょうりん!今から桃子さん親衛隊の集会よ!」
例の過激派親衛隊がきょうりんの手を引っ張った。
「ええー。私も転校生と挨拶したい。」
「ダメ!前の事件で人数減ったから参加して!」
彼女はそう言うと、きょうりんの手を強く引っ張った。
あのチケット事件以来、片腕を失ったあの彼女はこのチームを抜けてしまったのだ。
あの事件は未だに何だったのか、彼女たちは分かっていない。
「人数減って困ってるなら今増やしてあげる。」
と、きょうりんは教室に戻ってその何人かの囲みがある席へと向かう。
「きょうりん?」
コロラドは、彼女に無言で手を掴まれるとそのまま廊下に連行された。
「どうしたの?」
「あなたが今日からここの新メンバーよ。」
「へ?」
「今から桃子さん親衛隊のメンバーになるの。」
「?」
「よろしく!新人!」
きょうりんの隣の活発的な女子はコロラドの肩を強く叩いた。
「え?え?」
「今から屋上で集会よ。」
「授業開始までは戻るから安心して。」
きょうりんとその女子の言葉が理解できないまま、コロラドは屋上に連行された。
「と言うことで、この子が今日から我々と活動してくれる同じクラスのコロラド。」
「よ、よろしくお願いします。」
訳も分からぬまま、リーダーの女子の言葉にままつられ頭を下げる。
リーダーときょうりん他5人の女子で構成された部隊が屋上に集結した。
「じゃ、一人一人桃子さんの活動報告をお願い。」
「はい!」
きょうりん以外の5人は運動部のようないい返事を返す。
「まず、昨日の報告。午後4時からの放課後は宮桜と例の図書カフェにいました!4時から6時まで満喫していた模様です!」
1人がメモ帳片手にそう刑事のように報告した。
コロラドはその異様な光景にただ目の瞬きのスピードが速くなる。
「次最後!きょうりん!」
5人終わると、きょうりんの番が回って来た。
「はい!えーと、気づいたことは特にありません!」
「じゃあ、作戦会議を始める。議題はどうしたら桃子さんが宮桜と別れるか!みんないい案を出して!」
「…。」
みんな黙り込んだ。
自分たちが思いついた案など、最初にやっている。
「宮桜の犯行に見せかけても、桃子さん何でも許しちゃうもんね。」
メンバーの中の女の子がそう言った。
「あの、きょうりん。桃子さんて誰?」
コロラドは、きょうりんにそうヒソヒソ話した。
「桃子さんて言う2年のカッコよくてスタイル良くて性格が神レベルに良い人がいるの。」
「そうなんだ。」
「きっと好きになるわ。かっこいいんだから。」
きょうりんはニッと笑った。
「別れさせるって?」
「宮桜って言う子がいてね、今の桃子さんの彼女よ。正直、どこが良いのか分からないけどね。」
きょうりんはそう説明した。
集会では特に良い意見もなく時間とともに終了した。
「終わった。かえろ!」
と、コロラドの手を引っ張った。
「私、あのグループに所属になったの?」
「そうよ。でもあそこにいたらイジメはされないから安心して。」
「うん。」
コロラドは嬉しそうに頷いた。




