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不死身ちゃんとユリ世界。  作者: 愛犬元気。
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二十話


次の日



学校


「ねえねえ、プールどうだった?」


朝早く、さきゅばすは早速遊びに行ったミシルにニヤニヤしながら聞いてきた。


「うん…。」


「あら、どうしたの?喧嘩でもした?」


「喧嘩じゃない。けど私何かしらしちゃったみたい。」


「なにがあったの?」


「分からない。そこの部分覚えてないの。」


「水が入ったのかしらねえ。あとで見てあげる。」


「ありがとう…。」


ミシルは少し笑いながらも昨日の反省を頭の中でずっとしていた。





「宮桜。これ。」


「あ、お土産ねありがとう。」


宮桜は桃子に差し出された白い貝殻のイヤリングを受け取る。

それを耳につけて桃子に披露した。



「似合ってるよ。凄くかわいい。」


桃子はそれを見て微笑んだ。


「本当?高かったんじゃない?」


「惜しくないよ。君のためなら。」


「ふふ。ありがとう。」


宮桜はそう照れながら笑った。



「ミシルさんとどうだった?」



「え?あーうん。楽しかったよ。」


「そう。良かったわね。」


「…。」


「なにかあったの?」


「ううん。何も。」


「なんかボーっとしてる。顔紅いし、風邪でも引いた?」


「いや、大丈夫。今日も元気だよ。」


と、桃子は明らかに動揺しながら答えた。


「なんか変な桃子。」


「あはは…。」





「ミシル。ミシル。」


「おはよう。ももちゃん。」


いつの間にか戻っていたクマのももちゃんは、ミシルの手の中で今日も相談相手になっていた。


ミシルは休み時間、誰もいない化粧室に閉じこもってまた相談をしていた。




「ねえももちゃん。私どこかおかしいのかな。最近記憶が無くなって何してるのか分からないなんて、やっぱりおかしいよね。」


「ミシルミシル。」


相変わらずももちゃんは同じ言葉しか繰り返さない。



「このまま私、壊れて廃棄されちゃうのかな…。」


この世にはロボットを整備管理そして排除する部隊がいる。

ロボットの警察のようなものだ。


今は何でも新しくなっている時代。

私のような旧型も、新札のようにいつの間にか皆変わっていく。


私は古いお札みたいなもので、壊れたらきっと直す事もされず破棄される。

そうしたら桃子さんに会えなくなってしまう。



「はあ…。」



「なーにやってんの?」


「きゃ!」


ミシルの背中に誰かが覆いかぶさってきた。



「きょうりんちゃん…。」


「ねえねえプールどうだった?」


相変わらず顔の近い彼女はにんまり笑いながらミシルの耳に囁いた。



「桃子さんの水着どうだった?」


「す…素敵だったよ。」



「本当?写真くらい撮ってないの?」


「撮ってないよ。」


「カメラくらい内蔵されてないの?勿体ないな。写真一枚いくらで売れると思ってんのよ。」


「売るの?」


「冗談よ。私は桃子さんよりミシルちゃんの水着が見たかったなあ。ねえねえ、何色?形は?」


変態のようにミシルを壁際に追い詰めるきょうりん。すると、ミシルの手の中のクマの目が一瞬光った。



「わ!?怖い!こんなの捨てちゃいなさい!」


と、きょうりんはそのクマを手ではじいた。


「あ!」


「今度私とプール行こうよ。私のナイスバディ見たいでしょ?」


「ももちゃんが…。」


「そんなものより私を見てよ!!」


と、きょうりんがミシルを抱きしめたその時




ガラッ




「あ!」


誰かが入ってきたと思うと、その光景に驚いた。

ミシルもその人物を見て驚いていた。


「桃子さん!」


ミシルが叫んだ。


「あ…なんかごめん…お取込み中だった?」


「桃子さん!ミシルちゃんがまたあなたの水着みたいですって!」


きょうりんはまた悪戯な顔をして桃子に言った。



「きょうりんちゃん私そんな事…。」


「ほら、顔を見てちゃんと言いなさいよっ!」


ドン


と、きょうりんはミシルの背中を押した。



「きゃあ!!?」


「わあ!?」


ドサッ


ミシルは桃子の体に覆いかぶさって倒れた。


「す、すみません!!!重いですよね!」


ミシルは慌てて桃子の体から自分の体を起こした。



「ん?」


その様子を上から見ていたきょうりんは何かの異変に気付いた。


「桃子さんどうしたの?顔が赤いですよ?」



「え?ううん…。なんでもないよ。」


「本当ですかー?」


感の鋭い彼女は、桃子の表情の意味をすぐ読み取った。


「もしかしてプール行ったらミシルちゃんの事好きになっちゃったとか?」


「違う!そういうわけじゃない。ミシルちゃんはロボットだし…。」


「そうですよね…。」


ミシルはそう言いながら露骨に落ち込んだ。



「あ、今ミシルちゃんを傷つけましたね?」


「え?あ、いやごめん。そんなつもりじゃ…。」


「ひどいね桃子さん。ロボットを物としてしか見てないんだね。」


きょうりんはそう言ってミシルの背中をおさえて化粧室を出て行った。

そして出る際、桃子の顔をちらっと見るとニヤッと笑った。

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