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そのあと王宮からもどったオーロラは、自分が黒魔術の使い手だということが広まっていることを踏まえ、公爵家から勘当される心の準備をしていた。

いくらウォルターが黒魔術を認めてくれてもソードノーズ国内での黒魔術に対する忌み嫌う風習は根強い。絶対に追い出されると踏んでいた。

そうなったらウォルターにも迷惑をかけるのでいくら愛を確かめ合ったとはいえ、ルヴィエに建てた家に移り住むしかないと覚悟を決めて帰還したのだが、待っていたのは家族の抱擁だった。


「オーロラ、お前血水症がまん延しているところに自ら望んで行ったんだって?」


「なんと危険なことを」


「王太子妃、ひいては国母となるお前が死んだらどうするつもりだ」


「お姉様ぁ。無事でよかったぁ」


え?


「あの……」


「無事でよかったよ」


エンジェルとともにシーヴァの抱擁に応えながらオーロラは虚を突かれた思いだ。


「わたしが黒魔術の使い手だということは聞いておられるのですよね?」


「ああ。聞いている。それがどうした?」


「この国では黒魔術の使い手は忌み嫌われます。出ていくつもりでおりましたが……」


「出ていくだと!何を言ってる?」


そう言われていろいろ聞いてみると、王宮にあのまま滞在していたエリオット王太子が貴族を集めて黒魔術を扱う治癒師がルヴィエではふつうにいることを説明してくれたらしい。


あんなにオーロラを敵視していたルミエール王女と一緒にだ。


最初は懐疑的だった貴族たちだが、兵士たちが続々と帰還し、オーロラを絶賛するのを見て確信したという。


「まぁ、俺はオーロラが闇魔術師だとは思っていないよ。小さいころから一緒にいるからわかる」


「もしかしてわたしの足を直してくれたのはその術なの?」


義母が涙を流して抱きしめてくれた。


「改めてお礼を言うわ。あなたはわたしの娘よ」


そんな中でも、父は最初は絶望していたようで、オーロラを絶縁すると言っていたらしい。

だが、みんなに諭され考えを変えたようだ。

相変わらずの父だ。

だが、今は義母といい関係を築いているのだからもう何も言うまい。


「わたしはお姉様が何であろうと着いて行きますからね」


エンジェルの赤い髪をなでた。


「あなたとはこれからもっと仲良くなれそうね」


「え?本当ですか?」


にっこり嬉しそうに笑ったエンジェルを初めて本気でかわいいと思った。


ごめんね。エンジェル。今まで誤解をしていた。

もっとあなたを知りたいわ。


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