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どれくらい眠っただろう。

かなり疲れはとれたはずだ。


だってお腹が減っているもの。


ガバッと寝床から飛び起きる。


護衛騎士を呼ぶとスコットからウォルターの騎士に代わっていた。


「どれくらい経ったの?」


「丸一日くらいでしょうか」


かなり眠っていたのだわ。


「殿下を呼んで参ります」


「お忙しそうだったらいいのよ」


「いいえ。オーロラ様が目を覚まされたら呼ぶように言われておりますので」


「ではお願いするわ」


しばらくたつとウォルターがやってきた。

疲れ果てた顔だ。

ウォルターが血水症にかかっていたら大変だと手を握るが大丈夫そうだ。


「オーロラ。いつも確認ありがとう。だが俺も光の魔術で血水症菌が付着する前に浄化するくらいの力がある。身体に入り込んでしまったら無理だがな」


「ああ、そういうことが可能なのですね」


やはり光の魔術は一番すごいと言われるゆえんだ。


「ところでオーロラ。グラントが血水症になってしまったよ」


「え?」


「あのあとテントの中で腹が痛いとのたうち回りだしてね。下痢と血便が出ているから間違いない」


「どうされているのですか?」


「例に漏らさず、テントで寝ている」


「ほかに新しい患者は?」


「今はもういない。あの後テントのまわりを浄化した。グラントしかいないのでもう他には蔓延することはないだろう。ハートリーの水は今までどおり運ばせているが一切使っていない。ヘルナンド領の水を運ばせることにした」


ヘルナンド領ならば確実だ。ウォルターの側近のヘルナンド伯爵の領地だからだ。前世でもずっとウォルター派だった。


「それなら大丈夫ですね」


「証拠の水を王都に今送った。ハートリー伯爵はもう逃れられないだろう。奴隷オークションにあの家が噛んでいることもわかっていたからね」


「そうなのですか?」


ウォルターも気づいていたのだ。


「ああ。会場に伯爵夫妻がいた。うまくいけばあの夫妻に証言させてグラントが黒幕だと突き止められるんだがね」


「そうですね。あの日落札した奴隷も調べてください。医師のところで働いていた奴隷がもしかしたら血水症菌を持ち込んだのかもしれないです」


オーロラはあの日偶然にも耳にした会話について説明した。


「よく聞いていてくれた。調べてみよう」


ノエルはどうなのだろう?それを知っているのだろうか?

それにしてもあの大聖女と呼ばれた癒しの力はいったいどうなってしまったのだろう?


「ハートリーの令嬢であるノエル嬢も逃れられないね」


「え?」


「自分を大聖女だと偽った罪」


「殿下は……殿下はノエル嬢を見て何とも思われないのですか?」


「何とも……とは?」


きょとんとオーロラを見ている。


「本当に何もないのだろうか?」


「そうだな。最初は大聖女だと名乗って来たので、助かったと思ったけど、日々どうやったって患者は増えるばかりだったからね。途中から怪しいと思っていたが……」


本当に何ともないの?


「そういえば昔俺と会っていると言っていたが……俺には記憶がない。いつどこで会ったのか?」


え?会ったことがある?

前世のこと?それとも?


「昔このあたりに来られたことが?」


「うーん。考えてみるんだがないんだ。俺はずっとルヴィエにいたからね」


そうか。なら前世のことなのだろうか?

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