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「ねえ、クティいる?」


「なんだい?オーロラ」


寝る前に久しぶりにクティを呼ぶとすーっと現れた。


「エンジェルっていったい何考えてるのかな」


クティは前世で長屋にやってきたエンジェルを見ているだろう。般若のような顔をしたエンジェルがオーロラに襲い掛かる様を。


「前世と違うってこと?」


「でも前世でもこの頃は同じような感じだったの。前世ではわたしはここで孤立していたからエンジェルとふたりさめざめと泣いて過ごしていたのよ」


「そうなのか。今じゃ想像つかないや」


「そうよね……」


でも何かちがう気がするのだ。

あの時のエンジェルの優しさはもっと……。


「もっと俳優みたいだった」


「うん。今は俳優に見えないね」


「やっぱりそう思う?」


「僕は精霊だからわからないけどエンジェルは母親を助けてもらったことについては本心から感謝してるんじゃないかな」


「そうか……」


前世では母親は亡くなっている。もしかしたらそのせいで性格がゆがんだのかもしれないし。


だが、母親の侍女にあやしい女性がいたことも確かで、確実にあの侍女とエンジェルは接していたはずなのだ。


「オーロラは思い込みが激しいからな」


「え?」


「うん。でもオーロラは好きだよ」


クティがにっこり笑った。


「もう。そんなかわいい顔したらまたもふるわよ」


クティをこちょこちょしながら枕にする。


「わー、くすぐったいってば」


「だって気持ちいいんだもん。なんかまた白っぽくなったんじゃない?」


「そうかな?」


再会したときはグレーだったのに最近では銀色に見える。


「精霊って色が変わるのね。不思議」


「まぁね。僕の場合はちょっと特殊な事情があってさ」


「え?」


特殊な事情って何だろう。


「こっちの話さ。明日も早いんだろ。寝ようよ」


「そうね。お休み」


クティの枕は気持ちよくてオーロラはすぐにすやすやと寝息をたてていた。


お読みいただきありがとうございます。

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