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「今日君を連れ出したのはそのギルドの主に会わせたいからなんだ」


「主に?」


「ああ。もう着くだろうから楽しみにしていて」


ギルドの主に会うのを楽しみに?ウォルターの部下に?

さっぱりわからない。

いったいウォルターは何をしたいのだろう。


「着いたよ。君の赤い髪は目立つからフードをかぶっておいて」


そう言って自分も深くフードをかぶった。

ウォルターの金髪もかなり目立つからだろう。


ウォルターのエスコートで粗末な馬車から降りると、確かにここは柄のいい場所ではないことは一目でわかった。

もともと平民生まれのオーロラだ。こういう場所を知らないわけではない。

だが、子どもだったので近づかないように言われていたし、近づいたことはない。


「さ、はやく」


促されるがままに小汚いギルドの裏口から中に入っていく。

中は結構綺麗だ。

外側だけ小汚くしているようだ。


「ジル様。いらっしゃいませ」


どうやらここでは昔の名前ジルで通しているようだ。

侍女たちが着用している制服のようなワンピースを来た女性が対応している。


「ああ。エムはいる?」


エム?


「はい、中でお待ちです」


エムというのが主なのかもしれない。


オーロラはそのままウォルターに従った。


細い廊下をまっすぐ行くと扉がありそこを開けると部屋らしい。

ウォルターに続いてその部屋の中へと入っていった。


「首尾はどうだ?エム」


エムらしき人物が目の前の机のところで後ろを向いて座っていたが、ウォルターの声に反応してゆっくりとこちらを向いた。

くるくるした茶色の髪の男だ。少しオレンジがかっているかもしれない。丸いメガネをかけており鼻の頭にそばかすがあった。


この人は知っている。

オーロラは思った。


前世でもよく知っているこの人は……。

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