第4話 シャーロットの境遇
陰険なイジメの表現があります。
「お嬢様のお帰りです。門を開けて下さい!」
と御者をしているメイドは叫ぶが
「はい、・・・チ、何だ、(地味令嬢)の方か、はいよ」
ガラガラ
「す・・すみません」
シャーロットは、この家の令嬢だが、使用人からも馬鹿にされている。
時は、彼女の母親が亡くなってから一変してしまった。
・・・・
私はシャーロット、スペンサー家の跡取り娘。
今は、こんなだけど、昔は輝いていた。
子供ながら、領内を周り、イジメをしている子供たちを見つけては注意していた。今は自分がイジメられているから、笑っちゃうわ。
12歳の時
「お母様、お父様が今日も帰ってきません・・」
「いいのです。もう、あの人のことは・・それよりも、今日は、大事な話をします。スペンサー家直系の子孫には、強力な、ゴホ、ゴホ、・・の加護が尽きます・・ゴホ、ゴホ、ゴホ、頼り・・・すぎてはダメよ・・彼らは、とゴホゴホ、外道ゴホ、ゴホ」
「お母様!誰か、お医者様を!」
「はい、お嬢様!」
・・・
お母様のお葬式が終わってから、すぐに悪魔たちがやってきた。
「まあ。良い家だわ。今日からここに住めるのね」
「キャーお父様、早く、素敵な部屋に連れて行って」
・・
「やあ、シャーロット、新しい女主人と妹だ。挨拶をしなさい」
「お父様、まだ、お母様の葬式が終わってから一週間もたっていま・・・」
バチン!
(え、今、拳で殴られた。私、何か悪いことを言った?)
私は吹き飛び壁に当たり、そのまま鼻血を出して、座り込んでしまった。今まで、暴力は振るわれた事がなかった。初めてのことよ。
「キャー、お義姉様、大丈夫、あたしは仲良くなりたいだけなの。お父様は悪くないわ。さあ、手を取って、キャ、血、血よ」
メロディは、私を起こす途中で手を離し、また、私は、尻餅をついた。
「メロディ、汚い血がドレスに付いたな。ドレスを買ってやるか。今日から沢山買えるぞ!」
(汚い血って言った?)
「キャー嬉しい」
意地悪な子、それとも、本当に血で驚いたのだろうか?
悪意に触れたことのない私は、この時、まだ、信じていた。馬鹿ね。
状況は更に悪くなった
・・・
ガチャ
「お義母様、何か御用ですか?部屋に入るときは、ノックをお願いします」
「お義母様?私の娘はメロディ一人だよ。あたしゃ女主人だよ。ノックはしないよ!」
「えっ」
女主人と名乗る人の背後に・・見たことない使用人たちがいる。
「女主人として命令します。シャーロット、貴方は今まで、散々、お貴族様の贅沢な生活をしてきたから。メロディに、ドレスと宝石を分けてあげなさい」
「それは・・お母様の形見、ダメです。それに全部じゃないですか?」
「私はこの家の女主人だよ。生意気な子はお仕置き部屋にいきな!」
「え」と言う前に、女主人と名乗る人が連れて来た取巻きが、私を乱暴に掴み、地下室に連れて行く。私は令嬢なのよ。粗暴な男達は無遠慮に肩や手を掴み、足を抱えてつれていく。ヤメテ、恥ずかしいよ。ヤダヨー
「旦那様、あんまりです。お嬢様はたった一人の前伯爵様のお子です」
「アントン口答えするな。何、お前らもそう言うか、全員クビだ!私の言うことを聞かない奴は全てクビだ!」
「やだー、暗いよ。誰か助けて、ネズミがいるよー」
私は泣き叫んだ。ご飯ももらえずやっと三日後出された時は、使用人は知らない人ばかりになっていた。
「お嬢様!!お労しい」
「アン・・は残ってくれたの?」
「ええ、必死に頼んだら、残してもらえました」
・・・・
「お前の辛気くさい顔を見ると食事が不味くなる。自分の部屋で食べなさい」
「・・・はい、お父様」
「えっ、私の部屋」
「今日からメロディお嬢様の部屋になった。お前は外の離れに住みなってね。奥様からの命令だ」
・・
「は~い。お嬢様、ご飯ですよ~(クス)」
「ありがとう・・・」
「・・・・・グヘ、ゲボ」
「お嬢様―如何されましたか、キャーーーーGが入っている」
ゲボ、ゲボ、ゲボ、ゲボ・・・
・・・・・
今日は、婚約者のニコライが来る日だ。この窮状を教えて、助けてもらおう。
「何、シャルがイジメを」
「イジメではありません。ニコライ様、お義姉様を怒らした私が悪いの。平民出身って事実だから、メロディは気にしてませんわ」
「おい、シャル、義妹が平民出身だからって、イジメるなんて意地の悪い。見損なったぞ!」
(メロディはニコライにぴったり、胸を腕に当てている。まさか・・まさか・・)
側にいたメロディのメイドは
腕に包帯が巻いてある。
ニコライが尋ねた。
「・・その包帯どうしたの?」
「今日、私が熱いお茶を入れたら、・・お茶を掛けられました。メロディ様が出来の悪い私を庇って頂いて、シャーロット様からお叱りを受けました。全て私のせいです。シクシク」
「私、そんなことやっておりません!」
バン、大きな音が響いた。ニコライにビンタされたのだ。
「見損なったぞ、シャル。当分会いたくない!」
メロディと一緒に、屋敷に消えた。
(ニコライってこんなに私の話を聞かない人だっけ)
・・・
「シャーロット、お前は、帳簿付けをやりなさい。いいな」
「はい、お父様・・」
私はお母様の手伝いで帳簿を付けていたことがある。
だから、多少はわかるが・・
「え、アンのお給金、前の半分・・なのに・・他の使用人のお給金が高すぎる・・名前から、お父様の親戚か、出身地から、女主人の知り合い・・・それに、私に対する予算がこんなにあるのに、実際はもらっていないよ・・」
これじゃ、自分のクビを絞めるロープを買いに行かされるようなものね。
アン・・何で残ってくれたの・・
「もう、嫌だ・・」
こうして、私は自己否定の強い子になっていった。
最後までお読み頂き有難うございました。




