第2話 黒い髪の精霊
「ニコライ様、ご到着なさいました」
執事が出迎えてくれたけど、
「うん?見ない顔だね。今までの執事は?」
「・・先月、不慮の事故で亡くなりました・・」
僕は周りを見渡した。使用人たちは全て新顔だ。
まさか、シャーロットの魔の手が
「伯爵夫妻と、メロディに会いたい。引き合わせてくれ!」
「・・・伯爵代行とその妻と、メロディお嬢様ですね。まだ、約束の時間まで、大分早いです。それまで、ガゼボでお待ち頂くか、こちらの資料室で、領地経営のことを・・」
「ええい、お前では話にならない!」
僕は伯爵夫妻とメロディを探した。
「お待ち下さい!ここは令嬢の部屋です!」
メロディの部屋に、入るのを止められた。また、新顔のメイドだ。いつものメイドは手引きしてくれたのに、あのピンクが基調の部屋は落ち着く。メロディとは最後まではしていない。いつも・・メロディに・・いない!
僕は探した。「いた!」
3人は日当たりの良いサロンにいたが・・・・「あれ」
メロディはいつもピンクが基調のドレスを着ていたが・・・何か地味な紺の服だ。マナーの本を読んでいる。
伯爵は・・・いつもの紳士服だが、伯爵夫人は・・地味だ。まるで、母上と同じような
「まさか、シャーロットに何かされたの?」
3人はビクンとして、「「「ニラコライ君(様)」」」
「あたし、いえ、私は貴族学園卒業したら、行儀見習いに行きます。ニコライ様、今まで有難うございました。私、気づいちゃったのです。私は居候の立場で、シャーロット様のお情けでこの屋敷においてもらっているのだって」
何だって、メロディのために、シャーロットへの婚約者用の予算から、メロディのドレスを予約していたのに、よりにもよって、何故、行儀見習い?シャーロットのイジメか?
「ニコライ君・・その、約束を違えて申訳ないのだが・・やはり、シャーロットが、次期当主になる・・すまない。君はシャーロットと結婚してくれたまえ」
「・・・ニコライ様、私は平民で酒場の酌婦出身です。ドレスも分相応のものを着ますから、どうか、シャーロット様と結婚してもこの家において下さい」
何だってーーー僕は何が起きたかわからなくなった。
突然、メロディが泣き出した。
「ニコライ様、実は、お義姉様、いえ、シャーロット様から、イジメられていたというのは嘘です。私たちがイジメておりました・・大変申訳ありません・・・グスン」
もう、何が何だかわからなくなった。
「一体、何があった。話してくれないか?」
「実は・・・黒い髪の精霊が・・」
メロディは周りを見渡し。誰もいないのを確認して、小さな声で話した。
「・・・シャーロット様には外道がついています。メイドの姿をしてます。外道メイドです。お気をつけ下さい」
「へッ、精霊って、あれは、迷信じゃないの・・・」
三人は周りを気にしながら、語り出した
この数ヶ月間に起きたこと。中には前後の事実をつなげて想像するしかなかったこともあるけど、僕はとても信じられなかった。
最後までお読み頂き有難うございました。