第13話 義母は血涙を流し、今までの行いを後悔した。義母は改心した
残酷な描写があります。
「奥様がお帰りだ。皆、整列!」
「「「奥様、ご利用有難うございました!した!した!」」」
「支払いは伯爵家に、男娼じゃ、さすがに人聞が悪いから、いつもの社交パーティーにしておいてね」
「もちろんでございます!奥様」
フフフフ、私はしがない酒場の酌婦だったけど、伯爵家の入婿の愛人になって、ツキが回ってきたわ。可愛いメロディに男のあしらい方や、乙女を失わずに、簡単な性処理の方法を教えこんだから、貴公子を狙える。貴族学園に王子や貴公子が通っているから、高位の貴族の男を捕まえられないかしらね。
「ドレス店にいくわよ」
「はい、奥様」
・・・
ポロン♪ポロン♪
「次期女伯爵のシャーロット様は、淡い茶色の髪に清楚なお姿、ああ、今日も孤児院に慰問に行かれたよ~お菓子を振舞い、孤児たちに絵本を読み聞かせたよ~」
ガヤガヤ
「何、ちょっと止めて!」
「さあ、さあ、お立ち会い。次期女伯爵のシャーロット様の最新の絵姿だよ。センパイと一緒の絵姿だよ。お値段は銅貨一枚、販売はお嬢様だけだよ-」
何が起きているの。シャーロットのことを吟遊詩人が唄い。街雀たちは、
「「「キャーシャーロット様とセンパイ可愛いーー」」」
競って、シャーロットの絵姿を買っていく。何これ。このスペンサー領では買えない高価なドレスじゃない。すごい上手い絵ね。
シャーロットにこのドレスは似合わないわ。取り上げてメロディにあげなければ・・
・・・・
「シャーロット、お前、無駄使いをして、そのドレスはメロディにあげなさい。今、この場ですぐに、脱ぎなさい!そこのメイド、お前も!女主人としての命令ですよ!」
王都最新の鮮やかなドレスを着ているシャーロットと、レディースメイドとして、上等なドレスを着ているセンパイに義母は無理難題を投げかけたが、ミヤがスッと立ち塞がった。
「ここは私が対処しますから、家庭教師が来るお時間です。お嬢様とセンパイは新しく建てた別館まで・・」
「ミヤ、お願いするわ」
「貴方、誰、見ない顔ね。邪魔をして、クビにするわよ。女主人は私よ!」
「と、申されましても、私は国王陛下からの紹介状で来ておりますし、お給金はイセ国から支給されております」
「生意気を言って!」
「奥様、実は、シャーロットお嬢様の離れに、もっと良いドレスと宝石があります。私がご案内しますわ」
「そ、誰に尻尾をふればいいかわかっているのね。それでいいわよ!」
ミヤはシャーロットが前に住んでいた古い離れに案内した。
「気味の悪いところね。鉄のドア?少しへこんでいるわね」
「さあ、この中にございます。どうぞお入り下さい」
ミヤがドアを開け。入室を促す。
義母は離れの中に入って行った。
「ちょっと、ここは空じゃない。どこにもドレスはないじゃない!ミヤとやら、さっさと入ってきなさい!」
「奥様、申訳ございません。私の勘違いでした」
「何をーーー」
慌てて義母が外に出ようとしたが、ドアは開かない。
ドンドンドン、誰か!来て!
ドンドンドン!
「甲、甲、乙、マルヒを捕獲。プランデルタの実行を」
「了解!人を派遣する」
※マルヒ。被疑者、捕獲対象者
一週間後
「首尾はどう?」
「最終試験が残っています。これに合格すれば放逐して良いかと。対象者、王国語の文字を読めません。紙での質問の刷り込みは無理で声のみの調教になりました」
「そ・・こいつ、一生文字は学ばないとして試験をして」
とミヤが最終判断を下す。
「「「了解!」」」
旧離れの中には、まだ、義母がいる。
ビクビクビクビク
「はあ、はあ、はあ、シュ!やめて、シュやめて!シュやめて!」
義母は震えながら呟いていた。
バンと灯が付き、明るくなった。
「ヒイィイィィィ!」
部屋に設置された魔道拡声器により、声が発せられる。
「質問、お前は誰だ」
「アマンダ、元酒場の酌婦でございます。伯爵代行の配偶者です!」
「質問、お前にとってドレスとは?」
「はい、分相応の母親が着るようなドレスを、相談して既製品を買いに行きますわ!」
ポンと
小窓から、ご褒美のバナナが出される。
「!!ご飯だ!」
義母はかじりつく。
「最終質問、シャーロット様はお前にとっていかなる存在か?」
「ヒイィイイィ」
と錯乱して、土下座をする
「・・・ヒィは答えではない」
「イヤーーーシュやめて、シュやめてーーー」
部屋の四隅から、催涙ガスが流れる・・・
「ギャアアアアアアーーーー」
もう、何回目か。目が充血し、血涙が流れている。
それから、一週間後に、どうにか義母は解放された。
その日数は、偶然かどうかはわからないが、シャーロットが義母にお仕置き部屋に閉じ込められた総日数と同じだったと後で判明した。
最後までお読み頂き有難うございました。