2021年01月参分【冥界の探し物】
ツイッターで投稿しているプニプニ勇者の物語です。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニな幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
暗黒騎士 :プニプニの扱いが完璧な勇者の強敵。
錬金術師 :印象の薄いのが悩みのクエスト時では古参の冒険者。
【冥界の探し物】
屍術師 :冥界の探し物を手伝って欲しいとやってきた依頼人。
門兵 :冥王城の門を守っている。
冥王 :屍術師曰く、怖い冥界の王。言葉使いが悪い。
近侍 :冥王の側に使える者。
冥王城 :冥王の城。色々な施設が揃っていて便利。
【冥界の探し物 冥王城】
プニプニ勇者が泣き止んだので、失物探しを再開したが、従者は遠くに見える城が気になり屍術師に質問した。
「あれは冥王の城だよ。冥王は怖ーい冥界の王様。近付かない様にしてね」
しかしその後、印象は薄いが結果を出す錬金術師により、失物はその城にある事が判明したのだった。
【冥界の探し物 暗黒騎士の用事】
屍術師の失物が冥王城にあるのが分かると、暗黒騎士はすぐに行く事を決断した。
「冥王城には私も用事があるのでね」
「ゆうちゃも」
プニプニ勇者の発言に皆は驚いたが、従者がすぐに訂正する。
「勇者様に用事はありませんよ?」
「お?」
とにかく会話に参加したい勇者だった。
【冥界の探し物 暗黒騎士の事情】
冥王城の用事について暗黒騎士は語った。
「代々暗黒騎士は冥界を出入りする資格を有していたのだが、五代前の当主が経済的理由で手放してしまったのだ」
「にょだ」
抱っこされたプニプニ勇者も相槌を打つ。
「だから資格を再取得したい」
屍術師より切実そうだ。
【冥界の探し物 冥王城の門兵】
闇に浮かぶ冥王城に近付くと、屍術師を見つけた門兵が声を掛けた。
「また何かやらかしたのか?」
「違うよ!」
「ちじゃう」
穏やかな表情の門兵だったが、プニプニ勇者に気付くとすぐに真面目な顔になる。
「迷子の受け付けはロビーの右だぞ」
「違います」
一応、訂正した。
【冥界の探し物 便利な場所】
「遺失物ならロビーの右側の通路の先だ」
冥王城の門番は屍術師へ行く先を案内し、暗黒騎士や従者の質問にも答えてくれた。
「資格の申請は左の通路へ。トイレは入ってすぐ横。中庭は飲食できるよ」
「勇者様、中庭でおやつ食べましょう」
「おやちゅ」
冥王城は便利な場所だった。
【冥界の探し物 謁見】
≪勇者様、受付までお越し下さい≫
プニプニ勇者と従者が冥王城の中庭で寛いでいると放送がかかった。屍術師か暗黒騎士が呼んでいると思ったが、案内されたのは扉の前である。
「冥王は扉の向こうです。お気を付けて」
「めーおー」
何故か冥王と謁見する事になっていた勇者だった。
【冥界の探し物 欠席】
「歓迎いたします、勇者」
謁見の間にはプニプニ勇者を迎える近侍がいたが、玉座には誰も座っていなかった。
「めーお?」
「なお冥王ですが」
近侍が恭しく説明する。
「言葉使いが悪いので、プニプニが真似しないように席を外して頂きました」
育児上の配慮による欠席だった。
【冥界の探し物 冥王の贈物】
「冥王からの贈物です」
それはフワフワな菓子だったが、冥界の食物は食べてはいけない。
(おやつはさっき食べたから大丈夫)
従者が見守る中、プニプニ勇者は躊躇なく掴んだ。
「おやちゅ」
(勇者様ー!)
しかし近侍が直前で止める。
「食物は禁止でした。うっかりうっかり」
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