28 夢の続きは人生の途中(2)
「それじゃ。牡丹の嫁入りが決まった事を祝して!! 乾杯!!」
チーシャもジャックも若い衆に馴染んで酒を酌み交わしている。
親父とサルドゥストもゆっくりと酒を飲んでいる。
私はサルドゥストの隣でジュースを飲んでいた。
「お嬢……それ……ジュースですよね?」
「おいその確認は何回目だ?」
斎藤がしつこいほど私が酒を飲んでいないか確認してくる。
「だってお嬢……えっ?
もしかして……あの『成人祝いの悪夢』と今でも語り継がれている事件を……。
覚えていないんですか?」
「なんだ? その変な名前の事件は」
「ああ。その話詳しく聞かせてくれないか?」
私と斎藤の間にサルドゥストが割り込んできた。
そして私を見てニヤリとする。
「お嬢が成人の時の宴会の話ですか?」
そう言いながら斎藤はなぜか自分の左手首を右手で撫でつつ顔色を青くする。
「ああ。聞かせてもらえないだろうか?」
「あの日は……お嬢は酒をどれだけ飲んでも顔色を変えなかったので、親父に似たのか酒が強いと勘違いしていました。
けれど初めての飲酒だったので、わたしは心配になってお嬢の持っていたグラスを掴んで止めようとしたのです……」
「ああ! あの時の話ですか?」
「さすがお嬢でしたね」
「もう一生飲ませられないと思ったわ」
「あの日は阿鼻叫喚だったもんな」
予想と違う若い衆の言葉にサルドゥストは目をぱちくりとさせながら周りを見渡す。
そんなサルドゥストの反応を気にすることもなく虚無を眺めつつ遠い目をして斎藤が続きを話しはじめた。
「俺が……左手で……お嬢のグラスを掴んだら……。
お嬢……俺の手を折ったんです」
「「は?」」
私とサルドゥストの声が重なる。
「そうそう。斎藤さんの手首に手刀で『パキン』」
「その後も次々と俺たちをあっさりと倒していったな」
「挙句の果てには空の一升瓶を素手で握って割るしな」
「ゴリラかよって」
最後の発言をした者には私から愛の鉄拳を与えておいたが……。
それよりも…………。
「その後私はどうなったんだ?」
「手を折った俺の目の前で急に倒れ込んで……。
寝ました……」
私とサルドゥストは目を点にしているが全員は腹を抱えて笑っている。
「よかった……」
サルドゥストのその呟きが聞こえたのは私だけだった。
私はその『成人祝いの悪夢』の話から始まり、私の黒歴史で盛り上がるみんなを横目に父の隣に座った。
「あぁ牡丹ちゃん……結婚おめでとう」
「あぁありがとう」
「アリアちゃんも喜んでいるよ。
でもまさか牡丹ちゃんがあちらの世界に嫁に行くとは思わなかった。
と言いたいが、8歳の頃の牡丹ちゃんがサル君の話を毎日嬉しそうにしていたあの頃からパパは覚悟をしていたよ」
「そうか……」
「パパがこんな仕事をしているから生きていきにくかったよね……。
ごめ……ゴフっ」
私の愛の鉄拳が親父の腹にめり込んだ。
「おい親父。その先言えばぶちのめすぞ?
私はこの家に生まれてよかったと思っている。
親父に育ててもらってたくさんの家族に囲まれて。
確かに外ではうまくやっていけなかったと思う。
けれど私にはあちらの世界で友人もできた。
結婚相手も見つけた。
十分すぎると思わないか?
私は自分の人生に誇りを持っている。
そんな私を育てたことに親父は誇りを持て」
「…………牡丹ちゃーーーーーん!!」
「「「「「「「「「「「おじょーーーーーーーーーーーーー」」」」」」」」」」」
「ゴフっ」
「「「ぐおっ」」」 「「「「うがっ」」」」 「「「ぎゃっ」」」
「ふふっ。私の愛の鉄拳だ」
その日は家族みんなが酔いつぶれて寝てしまうまで宴会は続いた……。
私とサルドゥストはその後、両方の世界で結婚式を挙げた。
そして子供にも恵まれた。
そう。物語の最後。
この言葉を言って終わろう。
めでたし。めでたし。
END
ここまでお付き合いくださりありがとうございますー(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
パロ作品とか言いつつなんなんだこれと言われれば……。
ハイ。ソウデスネ。スミマセン。
と言うしかない作品になってしまいましたw
しかし!!
いやー書くのはとても楽しかったのです!
途中キャラの暴走が止まりませんでしたがw
私的には満足ですw
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それではまた次の作品でお会いできるのを楽しみにしております!
Macchiato




