#4
チゲ鍋食べて元気一杯なので頑張ります。
予想以上に見てもらってて(1日50PVあればいい方か、とか思ってました)ビックリしてます。
「―――――陽治。流石にそろそろ起きなさい。学校遅刻するわよ。」
ドア越しに母さんが呼びかけてくる。
「…………やだ。学校行きたくない。」
それに対し俺は、布団の中にくるまりながら、かろうじて母さんが聞き取ることができるくらいの声量で答えた。
「もー。いきなりどうしたのよ。冗談なんか言ってないでさっさと出てきなさい。ホントに遅刻するわよ!」
「行かないったら行かないんだい!今日俺は男の子の日なの!」
「……何よ男の子の日って~!?」
「そういう日なんだい!なんかそんな気がするんだい!」
あきれる母さんに対して、俺は駄々っ子のように喚き散らした。布団にくるまりながら。
何も知らない母さんからしたら『何言ってんのこいつ?遂に壊れた?』とか思うかもしれないが、俺の心境も察してほしいものだ。……まあ無理だけど。
「……は~。もう知らない。学校には今日休むって連絡しとくからね。……流石に男の子の日だなんて言えないから風邪だって言っておくから。」
そう言うと母さんは一階へ降りていってしまった。
そして俺は、のそのそと起き上がった。
近くに置いてあったスマホをひっつかんで電源を入れてみると、『4月21日午前8時15分』と表示されていた。
……何度目だよこの日付見るの。
俺はタイムループをしていることに気がついてからというもの、自分の死亡ルート回避のためにあらゆることを試した。
しかし―――――
【三回目】
「……とあっ!…………はっバカめ。三回連続で同じ攻撃など通用しな―――――ぶべらっ!」
死因:トラックを回避し、対向車線にいた乗用車に跳ねられた。
【四回目】
「……とあっ!…………そしてここで…………こうだっ!……ふっ……はっはっはっはっは!完璧だ。完璧ではないか!見よこの素晴らしい回避を!これで俺の―――――」
「キャー!通り魔よー!そこの学生さん逃げて!超逃げてー!」
「……えっ?―――――ごっふぁ!」
死因:通り魔に刺された
【五回目】
「キャー!通り魔よー!そこの学生さん逃げて!超逃げてー!」
「逃げる必要などない。……ふんっ!」
「…………なっ!何故倒れない!?」
「残念だったな!こうなることを予想して事前に防刃ベストを着込んでおいたのさ!」
大枚はたいて速達させた甲斐があったってもんだぜ!これなら死ぬこたないだろ。
「……そうか。…………なら死ねっ!」
「えっちょ……待って。……いや、待ってくださ―――――ぐおっ!」
いや……銃持ってるなら先に言ってよー!
死因:通り魔が銃持ってるなんて知らなかった。
【十回目】
……俺ね、気付いちゃったのよ。
家に帰っちゃダメなら、学校にいればいいじゃない。
いや何でこんなことに気づけなかったんだろうね今まで。学校にいればトラック来ないし銃とか手榴弾とか持ったキチガイな通り魔も来ないし最強やん。
……あっ、因みに今いるのは男子トイレの個室の中だよ。大地たちに一緒に帰ろうって誘われるだろうから、ここで時間潰してるのさ。
さーてここでもうしばらく時間潰さなきゃだし、音ゲーでもやりま―――――
『緊急放送です!学校に刃物とかその他もろもろとにかくヤベエやつてんこ盛りの不審者が侵入してきました!学校にいる生徒……特に東陽治君、逃げて!超逃げてー!』
まさかの名指しでしたー!
だが大丈夫だ。ここはウォールマリアをも凌駕する鉄壁の要塞である男子トイレの個室だ!
たかが不審者一人なんぞに―――――
「……と、思っているアナタ。」
「…………オー…………ジィーザァース。」
「死ね。」
「ぐふぅ。」
死因:トイレの個室無理矢理開けてきた不審者に刺された。
【十四回目】
…………どうしてこうなってんの?
ハロー。アズマ、ヨウジデス。オレハイマ、ガッコウノオクジョウデ、クッキョウナオトコニ、アシヲ、ツカマレテ、サカサヅリニサレテマス。
「…………お前は最後に殺すと約束したな。」
「……そっ、そうだ大佐。……たっ、助け―――――」
「あれは嘘だ。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
死因:気が付いたら屈強な男に屋上から落とされて転落死。
【二十回目くらい】
……もういいや。
どうせ死ぬなら母さんと一発ヤっちまおう。
「…………ねえ母さん。」
「……何?―――――んっ!んっ…………んっ…………ぷはっ…………い、いきなりどうしたのよ!?」
「……好きだよ。母さん。」
「なっ……んっ!…………んっ…………んんっ!」
母さんは驚きはしたが俺のことを拒絶することなく、俺のキスを受け入れてくれた。
口の中で舌を回す。……母さん結構慣れてるな。気持ちよすぎる。
「……母さん、シていい?」
「えっ…………それは流石に…………」
俺のいきなりの発言に口ごもってしまう母さん。可愛いな。もっと愛でた―――――あぁん!?誰だこのいい時に肩なんぞ叩いてく……る……や……つ……は?
「よーちゃん、滅っ、だよ。香里さんはよーちゃんのお母さんなんだから、やるなら私と【自主規制】してよ。」
……いつからそこにいたヤンデレ。
あとその右手に持ってる物騒なモノをしまいなさい。それカッチカチの冷凍イカも一刀両断できちゃう刃物だから。人に向けちゃいけないやつだから。お願いだから首もとに突きつけないでください。
「……何か言いたいことは?」
「……愛してるぜかあさ―――――ごっふぁ!」
死因:いつの間にかいたヤンデレに母への愛を伝えたら殺された。
―――――と、まあこんな具合で死に続け、現在三十回目を迎えているワケなんだが、もう学校行かなくていいじゃないどうせ死ぬんだし。……ってことで死に戻りニートやってます。
…………うーんしかし、流石に頭がイカれたとは言え、何故実の母親を襲おうという思考に至ったのか、未だに謎である。
……まあええわ。どうせ俺だけの黒歴史だし。
取り敢えず今はこのニート生活を満喫するか。……おっ!『ヤンデレ彼女に監禁されてますけど僕は元気です』のアプデ来てんじゃん!しかもヒロイン追加だと!やりますねぇ!……これはやるしかないだろ!
*****
―――――ふぅ。堪能したぜ。まさかヤンデレお母さんとは盲点だった……だが、そこがいい!
気付けばもう午後になっちまったけど、そんなことは関係ない。何故なら俺は、ニートなのだから…………。
今日の半日、俺はベットの上でただただスマホアプリ『ヤンデレ彼女に監禁されてますけど僕は元気です』をプレイしていた。
これほどに自堕落な生活があるだろうか。いや、ない。
「……くう~。やっぱヤンデレは最高だぜっ!」
「よーちゃんはホントにヤンデレが大好きだよね~。」
「ああ!この世で一番だい……す……き……」
何でアナタがここにいるんですかねぇ?
「そんなに好きなのに……ねぇ、ナンデ?ナンデなの?何で私には振り向いてくれないの?」
「それはお前がおさななじ―――――ヒィッ!」
コイツ、包丁俺の首もとに突き付けてきやがった!正気かよ!?
「……何か言いたいことは?」
……あっこれ死ぬやつだわ。
「俺はヤンデレをあいし―――――ごっふぁ!」
*****
「―――――っ!」
「…………」
「……………………」
「………………………………」
「……………………学校行こ。」
ヤンデレはいいぞ。
なんか番外編とか書きたい気分ですが取り敢えずメインヒロイン全員召喚してからにします。
あと本作の主人公は決してマザコンな訳ではありません。そこ、間違えないように。