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宝石吐きの女の子  作者: なみあと
ⅩⅤ 宝石吐きの女の子
273/277




 それは古く、忘れた記憶。

 古く、錆びつき、開けることすら叶わなくなった記憶。




「愛しい妹」

 遠くで声がする。

 それが、姉の声であることを知っている。

 頬に触れる手がある。母ではない手。

 それが、姉の手であることを知っている。

「私にはね、弟がいたの」

 姉が語る。姉の話。

「覚えておいて、私の妹。何を忘れても。自身の名すら忘れても。……どうか、きっと、忘れないでいて」

 姉の声が、知らぬ未来のことを語る。

 まるで必ず起きる出来事であるかのように。

「忘れないで、私の妹。いつか未来に、必ずやあなたを助ける、私の弟の名を」

 姉の腕が、体を抱く。

 いずれ必ず訪れる未来に、必ずや打ち克つと信じているかのように。

「……弟の名は」



   * * *



「よう、嬢ちゃん」

「……わたし、は」



 すべてを忘れた少女のもとに、残ったものがただ一つ。




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