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インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


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42/55

episode 041

「何よ、話って?」

 2年B組の教室に着いた秋希は、さっそく蜷川早紀にながわさきを呼び出した。

 長身で黒縁眼鏡を掛けた彼女は、不審そうな瞳で秋希をじろじろと見ている。


「よかった、まだ無事だったのね」

 秋希は、とりあえずホッと胸をなで下ろす。

「……変な人ね。わたし、授業が始まっちゃうから行くよ」

 そう言ってくるりと向きを変えた早紀の手を握り、彼女は早口で伝えた。

「今日から単独行動は避けて。決して一人にはならないで。何かあったら、相談室に連絡してね」

「急に何なの。そんなの知らないよ」

「死にたくなかったら、言う通りにしなさい!」

 なおも抵抗していた早紀に、秋希はぴしゃりと言ってのけた。

 彼女が一瞬ひるんだ隙に距離を詰めた秋希は、耳元に口を近付けて何事か囁く。

「!」

 その途端、早紀の顔が真っ赤になった。

「ちっ、違う。ちがうわよっ!」

「ご協力、有難うございましたぁ」

 まだ発言の衝撃から抜け切れていない早紀を置いて、秋希は教室を後にした。


(よし、この調子で一人一人潰していこう)


 勢いづいてきた彼女は、鼻唄まじりで突き当たりの角を曲がった。

 すると、丁度向こうからやって来た男性とぶつかってしまった。

「きゃっ、ごめんなさい」

 飛び退いて謝る秋希。

 男は、白いスーツに付いた埃を軽く払い、軽く会釈して通りすぎて行った。

 暫くそこに立っていた彼女は、いつの間にか自分の身体の周りが『不思議な匂い』で包まれている事に気が付いた。

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