episode 040
放課後が始まると同時に、秋希は再び7番地の校舎に足を踏み入れていた。
先週の反省から、正攻法をやめた彼女は、得意の確率分析に基づいた予測で動く事にしたのだ。
北野鐘子は、学年トップの成績だった。
でも、彼女は常に孤立していた。
彼女は、飛び降り自殺をしたが、血は少ししか流れなかった。
下着泥棒は、真っ先に彼女の下着を盗んだ。
一見何の繋がりもないようなパーツを、秋希は丁寧に紐解いて行った。
彼女でなければならなかった理由は、何?
犯人は、彼女の何かが欲しかった。
それを奪った後、用済みとなった彼女は殺された。
彼女が死んだのは、下着泥棒事件が解決した3日後。
つまり、下着を盗んだ者と彼女を殺した人物は、別である可能性が高い。
否、全く別ではない。
するとこうだ、下着泥棒Aは、殺人犯Bの指示を受けて何かを探っていた。
調査が完了したAは姿を消し、Bは入手した情報を元に動き始める。
しかし、何故下着だったのだろう。
単なるカムフラージュか?
屈折した性意識が生み出したものなのか。
暫く考え込んでいた秋希は、そこで思考をストップさせた。
この時、彼女の中には一つの答えが浮かんでいたのだが、それがあまりに可能性の域を出ないものだったので、一旦白紙に戻したのだ。
次に考えたのが、第二の殺人の可能性だ。
犯行内容、下着泥棒の被害者数を見ても、事件の連続性が見え隠れしている。
問題は、次のターゲットは誰か、だ。
ここで、秋希はある事に気付いた。
北野さんは、学年トップ。
だとしたら、次に狙われるのはあの人じゃない?
彼女は慌てて、目の前の階段を駆け上がり始めた。




