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インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


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27/121

episode 026

「特殊機能は、まだあるんだ」

「え?」

「ナタリー、例の画像をケビンにスキャン転送してくれ」

『ハーイ』

 彼女はディスプレイの端に寄って行くと、データ送受信画面を呼び出した。

 該当のファイルを選択すると、紙飛行機のようにえいっと放り投げる。

 数十秒後、ファイル転送率のグラフが100%を示して消えた途端、春都の携帯端末が鈍い光を放った。


「……ぶっ、ぶはははは」

 春都を見た蔵敷が、お腹を押さえて笑い転げた。

『ソンナニ笑ッチャダメヨ』

 そういうナタリーも、涙を流しながら笑いを堪えている。

 不思議に思った春都は、自分の姿を見下ろして、度肝を抜かれた。

「な、なんじゃこりゃあっ?!」


 視線の先、胸元に見た事の無い二つの膨らみが乗っかっている。

 しかも、身に纏っているのは、薄いブルーのビキニ一枚のみだったのだ。

 真っ赤になった彼は、慌てて両腕で胸元を覆った。

 既に、頭の中がパニック状態である。



「これが『イマージング』機能、ナタリーがスキャンした画像をモバイルフォンに転送させ、特殊バリヤードフェルトの表面に浮かび上がらせる」

「なる程」

 春都はようやく、この装置の有用性を理解した。

「これで、わざわざ毎回コスチュームを着替える必要は無くなった訳だ」

「但し、良い事ばかりじゃないぜ」

 蔵敷はそう言って、注意点を付け加える。

「『イマージング』は電気をおそろしく食う。通常バリヤーで1時間もつバッテリーが、わずか5分でカラになっちまう」

「なんとかマンより長いじゃないか、それで充分だよ」

 モバイルフォンを腕に馴染ませながら、春都は満足そうに言った。


 蔵敷は、半分納得が行っていない口調で尋ねる。

「でもよー、この前みたいな変質者相手に、ここまでする必要あるのか?」

「あるさ」

 きっぱり自信を持って、春都は答えた。

「この前の奴は、多分下っ端だ。まだまだ大きな闇が来るぞ、必ずな」


「ふむ」

 蔵敷は、神妙な面持ちで頷いた。

「それでは、拙者にも考えがある」

「何だ?」

 興味を持った春都は、身を乗りだして彼の次の言葉を待つ。

「ケビン」

 大真面目な顔で、蔵敷は言った。

「今度は、もっこりグラビアアイドル●●●●ちゃんの身体を、イマージングしてくれないか?」

「……」


(一体どうなっているんだ!俺のカラダはいきなり性転換してしまったのか?!)


暫くしてから、春都の耳にクスクスと笑い声が聞こえて来た。

「ケビン、もう一度見てみなよ」

「もう一度って……」

 春都は改めて、自分の身体を見下ろした。


 すると、いつの間にか水着姿の巨乳が消えて、普段通りの学生服に戻っていた。

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