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インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


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26/55

episode 025

「例のヤツ、完成したんだろう?」

 その言葉を聞いた蔵敷は、ぴんと気が付いた。

「ああ、アレね。ほれこの通り」

 手にした紙袋をゴソゴソして取り出したのは、小型のモバイルフォンであった。

 全長は5センチ程度。

 背面にバンドが付いている。


「これを、今着けている腕時計の上にセットしてバンドを止める。次に、本体からコードを引っ張り出して……」

 春都は、蔵敷の指示通りにモバイルフォンと腕時計を繋げた。

「何だか、ガジェット大好き人間になった気分だよ」

「おっし、じゃあスイッチを入れてみようか」

 彼に促された春都は、左手首に巻かれた腕時計に口を寄せ囁く。

「……インベンションモード、オン」

 その言葉に反応して、時計の文字盤がくるりと裏返り、小型スクリーンに変わった。

 これは以前から内蔵されている機能だった。

 画面の中央で、小さなナタリーの画像が走り回っている。


 一方、肝心の新兵器はというと……。

「……何も変わっていないようだが」

 春都の言葉を聞いた蔵敷は、手元にあったドライバーを彼目掛けてひょいっと投げつけた。

「!」

 予想外の出来事に、回避が遅れた春都は、咄嗟に手をかざしてカバーする。

 しかし、ドライバーは彼の手前数センチの所で何かに弾き飛ばされた。

「これは……」

「ご注文の、特殊バリヤードフェルトじゃよ」

 某アニメに出てくる博士のような口調で、蔵敷が説明を始める。

「装置を身につけた者の全身を、特殊な電磁膜で覆い、外部からの衝撃を吸収する。機関銃の弾くらいなら、難なく跳ね返すだろう」

「これは素晴らしい」

「だろう?今回は結構苦労したんだぜ」

 父親が経営する会社で顔馴染みの開発責任者が、アイデアを伝えた瞬間とても渋い顔をしていた事を思い出して、蔵敷は言った。


「これで終わりじゃない。特殊機能は、まだあるんだ」

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