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断罪される悪役で当て馬な仔ブタ令息に転生した僕の日常  作者: 藍生らぱん
第二部

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第9話 恋バナ?

 

記念の絵姿――まあ、要は画像というか写真なんだけれど、前世の世界の19世紀末頃の、ごつい写真機のようないでたちの魔道具で撮るんだよね。

見た目はレトロなんだけど、性能はデジタルっぽい。

どういう設計になってるんだろう?

まあ、図面とか設計図見てもチンプンカンプンなんだけどね。

転生チートで魔力とか魔法に関してはチートなんだけれど、僕にはそういう機械系の魔道具を作る才能は無いみたい。


絵姿はクラスごとに分かれて、生徒と担任だけが並んで撮影するんだ。

Eクラスは女子が7人、男子が13人なので、女子全員と男子数人が椅子に座って、残りはその後ろに並んだ。

僕は一番背が低いからと、椅子に座ることになった。


そう、クラスで一番背が低かったんだ・・・


女子よりも低かったんだ!!


毎日頑張って苦手なミルクを飲んでるのに・・・

今の僕と同じ年の頃、兄たちは160cm以上あったのに、同じ両親から生まれたはずの僕の身長はギリギリ140cm・・・

同じ年のアンディ君は160cmあるのに!

だからアンディ君、僕のこと、余裕でお姫様抱っこできたんだ。


背が低いと言えば、ジャン叔父上は165あるかどうかで、成人してる一族の大人の中で一番背が低いんだよね。

僕との差25cm・・・最低でも叔父上の身長は越したいな。

僕の成長期は始まったばかりだし、20歳までは身長伸びるはずだから、それまでにせめて30cm以上伸びるように頑張る!

夢は大きく、180cm!!!


***


撮影後はまた教室に戻って、今度は父兄を交えてのガイダンスが始まった。

生徒全員が寄宿舎に入るから、その注意事項とか、父兄の面会のこととか、色々。

うちの両親は、クラスの他の生徒たちや父兄たちが落ち着かないだろうからと別室で学園長先生からガイダンスを受けてるらしい。

ガイダンスの後は、父兄は解散で、生徒たちは寄宿舎へ移動だ。

荷物の搬入時には会えなかった他のクラスにいる伯爵家以上の貴族の令息たちと寄宿舎のガイダンスを受けることになっているんだ。


教室を出ると、オスカー君が待っていてくれた。

今日は寄宿舎まで送ってもらうことになってるんだ。

「オスカー君、お待たせ。」

「おう。」

僕たちは横並びで雑談をしながら歩いた。


「クラスはどんな感じ?」

「男子のみんなとは仲良くなれそうだよ。」

「女子は?」

「一応、婚約者がいるし、女子とは適度な距離で当たり障りなく?」

「好みの女子とかいなかったのか?」

「・・・いや、女子の集団はちょっと怖いなって・・・」

僕は遠い目をした。

「・・・そうだな、キャーキャーうるさいし・・・」

オスカー君も遠い目をした。

「オスカー君はキャーキャー言われてるんだね・・・」

ジト目でオスカー君を見やると、オスカー君は苦笑してため息をついた。

「俺も、アンディの婚約者の一人になれないかな・・・」


・・・おや?

もしかしてオスカー君ってば、もしかする?


「アンディ君、モテモテだねぇ・・・」

僕は好奇心を隠すことなく、ワクワクした視線をオスカー君に向けた。

そんな僕をオスカー君は真面目な顔で見つめてきた。

「シャルルはこのままアンディと結婚する気はあるのか?」

「僕もアンディ君も結婚する気はないよ。アンディ君のことは好きだけど、家族的な好きだし、もちろんオスカー君のことも同じくらい好きだよ。」

僕は正直な気持ちをオスカー君に伝えた。


アンディ君もオスカー君も、僕の大切な仲間で、家族のような人たちだ。

それはきっと、ずっと変わらない。


「俺はアンディのこと、恋愛的に好きなんだ。」

「おお~!」


オスカー君の告白に、僕は右手の拳を天に向かって突き上げた。

テンションが上がった僕とは逆に、オスカー君は両手で顔を覆った。

恋に悩む青少年!

オスカー君は美形だから、なんか、絵になるね。


「でもあいつ、性転換するとか、マジで言ってるじゃん。」


ああ、悩みはそっち?

この世界は同性同士でも結婚できるシステムだけれど、異性愛者の方が割合的には多いからなぁ。


「オスカー君は反対なの?」

「今は反対、かな。歴代の勇者は全員男だから、男じゃなきゃなれないって思ってるっぽいし。」

「アンディ君なら女の子のままでもなれそうだけどね。」

「シャルルもそう思うよな?」

「うん。でも、アンディ君は勇者になるために性転換したいんじゃなくて、本当に男の子になりたいだけだと思うよ。」

「そうなのか?」

「オスカー君はアンディ君が女の子のままじゃなきゃダメなの? 男の子になったら好きじゃなくなるの?」

「いや、どっちでも好きなままだと思う。」

「実際、本当に性転換できるかどうか、未来はわからないよね。アンディ君が後悔しない道をさ、応援したいって僕は思ってるよ。」

「そうだな。俺もそうする。」

「オスカー君のことも応援してるからね。」

「シャルル、ありがとな。」


オスカー君の恋が成就できればいいな、って思ってはいるけれど・・・

アンディ君、恋愛系は全然興味なさそうだし、おまけに・・・ねぇ・・・

ミセリコルデの憑りつきようがね・・・

オスカー君も聖槍の持ち主だから、見えてるはずなんだけれど。

ミセリコルデのアンディ君に対する執着具合がね、尋常じゃないんだよね。


聖具と持ち主の関係は気の合う相棒だったり、家族のようだったりもあるけれど、基本的に主従関係が多い。

でも、ミセリコルデは、恋人のような信者のような、重そうな感じがする。

アンディ君はそれを当たり前のように受け止めているし、信頼関係も強いようだから、なんだかんだ言う気はないし、言えない。

ミセリコルデの鉄壁のガードをくぐり抜けてアンディ君の心をゲットするのは至難の業だと思う。


でも、想うのは、恋するのは自由だし、それを応援したい気持ちも自由だよね。

だから、オスカー君がミセリコルデに認められて、アンディ君のハートを掴める日が来ることを僕は応援したい、そう心から思った。



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