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断罪される悪役で当て馬な仔ブタ令息に転生した僕の日常  作者: 藍生らぱん
第二部

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第7話 忘れたくない思い出と忘れたい記憶 


前にギルバート君に「聖職者になるから婚約はできない」とか言いつつ、仮初の婚約者ができてしまった。


まぁ、本当に結婚するわけではないし、もし本当に結婚することになったとしても、お互い同じ教会に所属する聖者見習いと聖騎士見習いということになっているから、教義とか戒律的には無問題(モウマンタイ)なんだよね。


とりあえず、またどこからか釣書が届いたら受け取り拒否できる口実ができたから良し、かな?


思いがけずフリーになってしまったランス兄上だけど、婚約の契約書が個人名ではなく「大公家の子息」としか記載されていないことを逆手に、まだ婚約していることにするみたいなんだよね。


「俺も、アンディと婚約してることにしようかな?」

メルク兄さままで、いい笑顔で言い出した。


え、でもそれって、アンディ君、逆ハーになっちゃうよね?


「でも、婚約者同伴の茶会とか夜会に呼ばれたらどうするんだ? 俺はシャルル優先だから同伴できないぞ。」

「それなら大丈夫。ね、ランス。」

「ああ。」


兄たちは亜空間収納(イベントリ)からドレスを着た女の子のぬいぐるみをそれぞれ取り出した。

すると、ランス兄上のぬいぐるみには聖剣の精霊オートクレールが、そしてメルク兄上のぬいぐるみには聖杖の精霊アロンがくっついたかと思ったら、ぬいぐるみを媒介にして実体化をしてしまったんだ!


アンディ君によく似た令嬢が二人、僕たちの前に・・・


オートクレールはハーフアップの細やかな縦ロールな黒髪に琥珀色の瞳で、アロンはツインテールを大きめのドリルのようにした縦ロールな黒髪に琥珀色の瞳で、アンディ君と並ぶと、まるで三つ子の姉妹のよう。

「マジ?」

アンディ君はまじまじと自分によく似た令嬢に化けたオートクレールとアロンを見つめていた。

「うわぁ・・・母上に女装させられてた時にソックリで変な感じがする・・・」


オートクレールは悪役令嬢のようなクールな微笑みを浮かべてランス兄上にしなだれかかり、アロンはヒロインのように無邪気に笑ってメルク兄さまの腕に抱き着いた。

「アゼルスタンの王子たちは今のアンディの男装姿は知らないだろうから、オートクレールとアロンに影武者させる。名前はオートクレール方はレア、アロンの方はアン呼びで固定する。どちらも偽物だが、向こうはどっちが本物かで混乱するだろうな。」

ランス兄上がとても腹黒──いい笑顔で言った。


『ほんとうに、女装した時のアンディにソックリですね。』

アンディ君の聖剣の精霊ミセリコルデがアンディ君をバックハグしつつ、にこやかに言った。

ミセリコルデは等身大のエルフに近い見た目で、まるで背後・・・守護霊のようにいつもアンディ君にべったりくっついているんだよね。

精霊は性別が無いんだけれど、ミセリコルデはとても綺麗な中性的なエルフの男性体に近い姿をしているんだ。


あ、ほら、王道学園ものの綺麗系で腹黒な生徒会の副会長って言えばイメージしやすいかな?

そういう目線で見ると、アンディ君は王道主人公(ヒロイン)かな?

ランス兄上は生徒会長で、メルク兄さまは書記とか?

オートクレールとアロンは双子庶務で、チャラ男会計はクリストフ君が似合いそう。

それで、爽やか君はオスカー君で、ホスト教師はジャン叔父上──身長低いけどシークレットブーツとかで底上げすれば何とか?──で、保健室の先生はバーナードさん、かな?


それにしても、オートクレールとアロンが化けてるアンディ君の令嬢バージョンって、乙女ゲームのヒロインの一人の侯爵令嬢にシルエットが似てるなぁ・・・

縦ロールのドリル具合とか、オートクレールとアロンが着ているドレスのデザインとか、色とか。

前世のお父さんは、顔とか瞳と髪の毛の色とかは自由に選べる仕様にするって言ってたけれど、デフォルトはどうだったかな?

僕が見たスチールは黒髪だった。

瞳の色と顔の造形がいまいち思い出せないんだけれど、シルエット的には近いんだよね。


「シャルル、顔色が悪いけど、大丈夫か?」

アンディ君が心配そうに僕の顔を覗き込んだ。

「大丈夫。結界の維持で疲れただけだよ。」

「明後日はルルの入学式だし、今日は少し早いけれど、もう寝た方がいい。」

「うん、そうする。」

兄たちとアンディ君に寝室まで送ってもらって、僕はベッドに入った。

ベッドの中には魔石を抱えてぐっすりと眠っているアルジェントと、枕元でとぐろを巻いて寝ているカドケウスがいた。


最近、前世のことを思い出そうとすると、疲れやすいし、頭も痛くなってしまう。


忘れたくないのに・・・


眠ってしまったら、明日の朝には前世のことを全部忘れてしまっていそうで嫌だな。


でも、忘れたい前世の記憶もある。

入院中の辛くて苦しかった治療の副作用の記憶だけは、今も鮮明に覚えているから。


嫌な記憶は全部消えて、楽しかった思い出だけ残ってくれないかな?


そんな都合のいいことばかり考えながら、睡魔には勝てずに、僕は深い眠りについた。



余談


ぬいぐるみは、アンディ君が聖騎士団の試験を受ける前に切り落とした髪の毛を入れ込んだ綿をつめて作られた呪いの人形・・・ではなく、魔道具のようなものです。

製作者はアンディ君のママ。

ぬいぐるみの見た目のイメージは、ゲーセンによくある二頭身のやつです。


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