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体制

書斎で書きものをしていると表がどうも騒がしいので踊り場の出窓から階下の様子を見に行く。

通りでは大勢の人間が列を組み各々横断幕やプラカードを持ったり鉢巻や襷を身に帯びたりしながらデモ行進をしている。

主張内容は様々で枚挙に暇がない。

ただ共通して言えることは現在の主流と相反することだ。

こうした反体制が現体制と一種の化学反応を起こすことで新体制が生まれるのだろう。

それにしてもこのデモ隊はどこまで続いているのだろう?

進行方向を見ても反対方向を見ても遥か先まで人間が連なり先頭も末尾もどこか見当が付かない。

これだけ沢山の人間が声を大にして訴えるぐらいだから現体制は余程の旧套墨守なのだろう。

情熱家で理想に燃えるタイプなら急いで自室に戻ってプラカードの一枚でも拵えて列に加わるところだ。

だが生憎その気になれない。

社会人として無責任だアパシーだと非難するのは結構だがその前にこちらの言い分を述べておく。

皆さんは体制を自分の目や足で直に確認したことが有るのか?

一部のマスコミが薄弱な根拠や偏った思想を元に垂れ流す情報を鵜呑みにしてリアクションを取っているだけではないと言い切れるのか?

そう思っていたらデモ隊員がジャーナリストの糸に操られた傀儡に視えてきた。

表の騒がしさの原因が究明されたところで書斎に戻ろうとした時己の身体の節々に糸が結わえ付けられているのに気が付いた。

その糸は遥か上空まで伸びている。

ここで目が覚めた。

人間が有機体として細胞を体制立てているように人間相互も体制からは逃れられないのかもしれない。


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