整理整頓
友人と久々に会い友人から近くに住んでいるから寄って行くよう誘われたので友人のワンルームアパートにお邪魔することにする。
友人は昔から片付けられない人間である。
だからきっと部屋の中は惨憺たる状況だろうと心積もりをして入室する。
そうしたら案の定と言うよりも予想を上回る混沌振りに遭遇し暫し唖然としてしまう。
そんな様子に我関せずとお茶を淹れようとする友人を制して先に部屋を片付けようと提案する。
昔から散らかす人間の居ない環境で育った所為か片付いていない場所では落ち着かないからだ。
形は提案だが友人に拒否権はない。
バラバラに置かれた物を一箇所に集め用不用の選別の上で入用の物は棚に収納し不用品はゴミ袋へ。
数時間後に漸く粗方の整理が終わる。
そして友人は現在ロフトベッドの上で書類の山を精査している。
友人は歳の近い兄弟姉妹数人と暮らしてきた所為か頭の中から片付けると言う概念が抜けている。
尚且つ二進も三進も行かなくなると見るに見兼ねて手伝うことを知っているので勢い散らかったままになる。
片付けられない人間の特徴は決まっている。
必要以上に物を所有し且つその処分が疎か。
第一に自分の生活に欠かせない物が何か把握していない。
使った物を元通りに仕舞わない又はそもそも物の定位置が決まっていない。
以上に該当する人間の住んでいる部屋は十中八九荒れている。
部屋の状態は住人の内面を具現化したものであるといっても過言ではない。
心の整理がついていない人間の部屋は大概乱れている。
そんな精神の隙を放って置くと泥棒や詐欺師に狙われて被害に遭う。
さて書類の精査が終了したというので必要な書類は纏めてケースに入れて棚に差し不要な書類は束ねて処理する。
友人はロフトベッドから飛び降りると二人分のお茶を用意する。
ものの数分で二つのカップを持てベッド下のソファへ。
中に入っているのはいつもと同じカフェオレ。
お互いそれぞれ甘過ぎる物苦過ぎる物が飲めないので考えられた妥協点だ。
脳内がアドレナリンによる達成感で身体の疲労が緩和されていく。
キッチンから小麦の焼けるいい香りがする。
どうやらパンケーキでも焼いているようだ。
レシピの通りに作った筈なのに何故か不味い料理が出来上がる自分と違って友人の料理は我流で目分量ながら外れがない。
器用不器用や得手不得手には個人差があるものだ。
ここで目が覚めた。
全ての要素を兼ね備えた人間が居ない以上支え合いは必要だ。
ただそれが寄り掛かりになって共倒れにならなければの話だが。




