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第十章 ヤツはドラゴン……ッ!! ですよとメイドさん。

ジャンピンぐスパイラルドリル貫通シャイニング土下座ぁあああああああああああ!! 


遅くなりすぎたまして大変申し訳ないっ!! 

色々な要因が重なり、執筆がしにくい状況となっておりました……。

詳しいことは活動報告にて……こんな遅筆な私ですが、どうか見捨てずにいてください。頑張りますから。

森が悲鳴をあげている。動物たちが悲鳴をあげている。


この一帯を支配するようになった我、全てを支配する存在たる我が統治者となって以来、こんなことは初めてである。

そばを通り過ぎる動物達に、魔物たちに聞いてみても、要領を得ない言葉を発するばかり。断片的に聞き取れる言葉には、明らかな怯えが混じっているのだけは理解できた。


それがなんなのかは分からない。だが、どんな存在であれ、我が森を脅かすのならば容赦はせん。


その決意と共に身体を起こし、羽をはばたかせ、我は飛び立つのであった。

これが、我の運命を変えるとも知らずに。






草を分けて進み、茂みを乗り越えるたび、そこにいた獣たちは蜘蛛の子を散らすように逃げで行く。

苦しげな吐息と、むあっとした汗と、熱気と、ひめ


はぁはぁ、はぁん(びし~ん)


悲鳴、が一定の速度でずんずんと迫ってくるのだ。そりゃあ怖いだろう。


……悲鳴だ。悲鳴と言うことにしなければならない。間違っても嬉しげなM的な喜んだ声など聞こえはしない……そんなものが真下から聞こえるわけがない。


そしてとりあえず、膝の上にちょこんと座っているメイドちゃん……胸元に『2』があるので『2』ちゃんと呼ぼう。2chと言った奴こっちこい。制裁してくれる!!

『2』ちゃんが差し出してくるお菓子をそのまま口にすると、プラカードにきゅきゅとペンを走らせる。


『おしい?』


「ああ、うん。美味しい。うん、とっても美味しいんだけど……あれはいいのかなぁ?」


 視線の先には、他のメイドちゃん達によって捕縛された、『1』ちゃんの姿が。どうやら先ほど膝の上に座ったのは抜け駆けだったらしく、他のメイドちゃん達から制裁を受けてしまっている。冒険者たちとの戦いと言うか、一方的な制圧を見る限り、『1』ちゃんがどうやら指揮官的な役割を担っていると思っていたのだが、違うのだろうか。


 まぁ、それはそれとして、『1』ちゃんを捕縛した後はジャンケン大会が始まり、手を出すまでが異様に早くてそれを手を途中で変えまくりの上に読み合いという凄まじいハイレベルのジャンケンが三ケタに届くくらいのあいこと共に行われ、今現在はその順番通りに彼の膝の上で甘やかしている、という状態である。


 後ろから、びったんびったんと何かが跳ねる音が聞こえてくるのは気のせいだと思いたい。とても呪詛と恨みのこもった視線が向けられているような気がするのも気のせいだと信じたい年頃である。ちなみに、後ろを振り向く勇気はない。

 二人のエルフが抑え込んでくれていることを祈るのみである。


 どうやら、ある程度の時間ごとに交代で、その都度何かやってほしいことがあるらしく、『2』ちゃんは食べさせ合いをしたいようである。

 美味しいというとにぱーと笑うのが可愛いのは認めるのだが、時折入る鞭の音と楽しそうな笑い声となんかの呻き声となんかの悦んでいる声はどうにかならないものか。


 気にしないようにした。というか、気にしてもきっといいことはない。


「道はとりあえずこっちであってるんだよね?」


 びったんびったんと打ち上げられた魚のようなエルfを視界に納めないように努力しつつ、突き出されるうま●棒を口に含みながらメイドちゃん『2』の頭を撫でつつ後ろのエルフの少女たちに尋ねる。


 聞くと、聞き慣れない言葉と共に頷かれる。


 どうやらエルフの一族の中で、複数の言語を操ることができるのは要職についている人物か学者ぐらいのものらしく、今彼女たちが喋った言葉はエルフの種族の身で使われる言葉のようだ。


 喋る機能は付いていないのに読解力はついているメイドちゃん達のおかげで翻訳に問題はないのだが。

 神輿の下から聞こえる変な声と鞭の音とかのたうちまわるエルfとかを除けば、それなりに快適……かいてき……かいて……な旅となりそうではある。なりそうだということにして、現実逃避のためにメイドちゃん『2』の頭を撫でることにする。


「さテ、我がご主人様マイ・アディスタ、こレを渡しテオキましょウ」


 鞭を振うことに飽きたのか、メイドさんが傍に来て胸の谷間から何かを取り出してきた。


「……そこは収納じゃないとおもうんだけど」


『もげれ』『もぐ』『つぬらく!!』『つすぶ』などなど、非難がごうごうである。非難が、ごうごうなのである。非難が、ごうごうごうごうと燃え盛っているのである。


「HAHAHA」


 その非難を朗らかな笑顔でかわすメイドさん。さりげなく胸の下で腕を組んで強調するあたり、煽る術を心得ている。突然発生した滅殺空間から逃げるように妙に生温かく感じるそれを受け取る。輪になっており、金属的な輝きがあり、秒針と分針があり、数字が円を象るように1~12までならんでいる。つまり、端的に言えば時計だ。時計なのだが、何処かで見た覚えがある形状をしている。

 まるでファミ●ンの2Pのような、マイクのような部分がある辺り、何かを思い起こさせるのだが。


 それがどこであったのか、中々思い出せない。何かでちらっと見た事があるようなないような……よくわからないが、つけろということなのだろうか。


 装着してみるが、特に変わったところはない。この表記されている時間がこの世界の時間の日どうかはわからないが、なぜ今こんなモノを手渡してきたのだろうか。

 

 まぁ、何事もなければ、このままエルフの国とやらにつくのだろう。そこからの身の振り方はその時に考えればいい。国のエルフを救ったのだから、ある程度の情報を求めても罰は当たらないだろうし、それが元の世界に戻れるきっかけになれば幸い――。


 そんなことを考えていると、突然、森の木々がざわめいた。

 いや、違う。ざわめいたのではない。明らかに、別の何かによって森が強制的に――風によって音が生み出されているのだ。

 暴風、というレベルではない、もはや一種の衝撃波ともいえるそれは、周囲の木々ごと、全てをなぎ倒していく。

 

 そんなトルネードが直撃したような状況において元々人に担がれていた不安定な神輿は一気に大きく傾きバランスを崩し、もろともに吹き飛ばされてしまう。

 冒険者たちは煽られた拍子に倒れ込み、その上に相当な重量の神輿が降り注ぎ、潰されたカエルの様な悲鳴をあげて動かなくなる。

 

 その更に後ろで、ほおり投げられたエルfが『ぎゃん!?』という悲鳴をあげて地面に転がり、その脇にエルフ達が飛び降り、転がっていこうとするエルfを追いかけていく。

 ……どちらもほおっておいて大丈夫だろう。多分。


 かくいう彼当人は、いつの間にかメイドちゃんズに担がれ、まるで発泡スチロールを持ちあげるような軽さで飛びあがっており、何の問題もなく地面に下ろされ――その斜め前では、メイドさんが伸身宙返り五回転半ひねりくらいの大技をかまして見事に着地していた。恐らく、その正面の顔はとてつもないドヤァ……フェイスになっているだろうから見ないでおく。


 暴風が吹き荒れたのはほんの一瞬――だが、直後、凄まじい地響きと共に、再びの振動――いや、地震が起こったのかと思う程の揺れ。大地そのものが貧乏ゆすりをしたかのような……とにかく、そんな感じの揺れで思わずよろけてしまう。


『汝等か、我が森の民を怯えさせたのは、妾の物に手を出すということがどういうことか、理解しておるのか?』


 腹の底にビリビリと響いてくるような、上から叩き落とされる空気の振動。

 その声の響きに、左右を見回したのは僅かな間。まるで太陽が月に隠されるかのように、影となって覆い尽くされた空間に、彼は思わず空を見上げ――そこに存在する異形に言葉を失った。


『いずれにせよ、この森での狼藉はここで終わりじゃ。その所業、地獄にて公開するがよい』


 光り輝く灼熱色の鱗、発達した筋肉、口から除く、全てをかみ砕く牙。空の全てを埋め尽くすのではと錯覚するほどの壮大な翼、ゴジ●さえかすむほどの巨大な巨躯、頭部に見える捩れた角、チロチロと口元から除く、トカゲの様な長い舌。

 見上げただけでもわかる、その威圧感、その存在感。圧倒的強者のみが纏うその空気、気配。ここが異世界であるとわかった時点でもしかしたらいるかもしれないと、淡い期待を抱いていた存在。


 ふつふつと、彼の心の中に湧き上がるものがある。

 一つ言っておけば、彼は“オタク”と呼ばれる人種ではない。勿論、アニメなどは人並みには見るが、それも流行っているモノは言われてから見るというレベルで、漫画もメジャーな物ばかりだ。

 だがそれでも、ゲームをやっていないわけではなく、小学校の頃は普通にRPGに出てくるドラゴンのカッコよさに一喜一憂していたこともある。

 もう一度言っておくが、彼は“オタク”ではない。ただ単純に――巨大生物とか、クリーチャーとか、ドラゴンとか、そういうカッコイイものには憧れがあるのだ。

 言いかえれば、浪漫。ロマン。ROMAN。そういったものが――好きなのだ。

 だから、そんな人間の前に巨大なドラゴンなんぞが現れればどうなるか。後はもう、わかるだろう。


「すげえ! マジドラゴンだ!! でけえ!! でかい!! 羽すげえ!! 牙、牙!! ゴジ●よりでかい!!」


『な、なんじゃ?!』


 突然テンションがマックスになった彼に、ドラゴンは驚いて羽ばたきを乱し、ずぅんと音を立てて地面に着地する。その振動に思わずよろけるが、ドラゴンに出会ったという感動がそれらを抑え込み、全速力でその足元まで駆け寄り、ぺたぺたと触り始める。


「太い!! つるつるしてる……おお……つめたい……!!」


 何しろ、体高で30メートル近く、体長で言えば尻尾も含めて60メートル近いその巨体。翼だけでも相当な大きさがある。四肢といっても、その一つ一つの太さは下手なビル並はあるだろうか。


「うぅん、体重はどんだけなんだろうか。ウ●トラマンは身長の割に体重が重すぎて地球がヤバいというのを本で見た事はあるけど……」


『こ、こら、止めぬか』


 上から叩きつけられる声には、困惑の響きがあった。何しろ、生まれてこの方、畏怖され尊敬されることが大半、対峙すれば恐怖を覚えられ、平伏されるのが常であったため、まさかこちらに興味を持って、恐怖すらなく突進してぺたぺたと触られるなど考えもしなかったのだ。しかも相手が戦闘力の欠片もなさそうな普通の青年となれば、更にどうしていいのか分からなくなる。


「お、メイドちゃんも触ってみる?」


 いつの間にか近くまで駆け寄ってきたメイドちゃんズも、外に出た事がないためか、初めて出会う巨大生物に興味津津らしい。その小さな手でおっかなびっくり、ちょっと触れそうになるとびくっとして手をひっこめたりしている。


『おおぅ』『なとんっ!?』『あらたしい……』


 といったプラカードが躍っている。……何が新しいのだろうか。


 チャレンジャーな『3』ちゃんはその脚に飛び付くと、よじよじと登り始めている。流石にそこまでの度胸はないので、ぺたぺたとその脚に手を這わせていく。

 よくよく見てみれば、その脚を覆っているのは幾重にも重なった鱗だ。ドラゴンだから竜鱗とでも言えばいいのか。こんこんと叩いてみても、帰ってくるのはやたらに硬い感触だけだが、その下の肉に沿って曲がる柔軟さもある。一体どういう材質なのだろうか、と興味がわいたところで――何やら周囲が騒がしくなった。


 視線を下におろすと、メイドちゃんズが何やら上を見て必死にプラカードを掲げている。


『いけぃ』『めだよぉ』『ゆつくりゃ』


 プラカードだけでは何が起こっているのか想像できない。見上げているメイドちゃん達に見習い、彼も同じように視線を上に向ける。

 見えてはいけないものが見えそうなのでそれから必死に意識を逸らしつつ、何をしているのかと、目を凝らしてみれば。


 背中にまわしたプラカードに『ふぬぅぅぅぅうう』と書いて、必死に、それはもう超がつくほど必死に、はがれかけた鱗をはぎ取ろうとしているメイドちゃん『3』の姿であった。





『いた、いたい、いたた!! か、かさぶたを無理やり剥がすでない!!』


「それ、かたぶただったの?!」


『かさぶたとるの癖になるからやめて!! 治りかけのかさぶたを剥がしたくなるから!! でかいのがとれたときなんか小さい達成感を覚えちゃうからやめてっ!! 中途半端に取れると気分が悪くて残りも取ろうとして余計に血がでちゃうから!!』


「やたらに庶民的なドラゴンだなあんた!!」


さて、ファンタジーでおなじみドラゴンさんの登場です。

皆さんはドラゴンと言えば何を思い出しますか? ffのバハムート? ドラクエの竜お……アレは違うか。

茨陸號の場合はロマサ○3のドラゴン○ーラーですね。

スマウグを獲る為に何度奴らを葬ったことか……。

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