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僕を知らない僕  作者: 太秦佑助
第二章
27/34

【痛みを感じない拷問 小早川秀冬×モヤシ】

この物語はフィクションであり、登場する組織や人物は実在のものとは一切関係ありません。また、物語には独特な考えが表れますが、これは物語を読みやすくするための要素であり、私個人の信念とは異なります。この点を理解いただいた上で、物語をお楽しみいただければ幸いです。

ある悲鳴が聞こえてこない…

だが、拷問を受けている人がいる。どうすれば、人は拷問中に声を出さないのか。なぜ、拷問後の部屋から叫び声が聞こえてくるのか。ホンシェンの手にかかるといつもこうだ。早速、ホンシェンの手にかかったものがいるらしい。

「僕は、河童じゃない。やめてくれ。僕は何も知らないんだ。だから、針を刺すことはやめてくれ。」

とモヤシは喉に鶏がいるかのように叫んだ。

「それは無理だな。そもそも河童自身、自分が誰だが分かっていないだろう。もし、理解していれば、こんな汚い場所に私は来ていない。河童の特徴は、世界で一番の変わり者だということだ。お前も変わり者だろ。」

とホンシェンは真顔で言った。

「それだけじゃ、誰が河童なのかって判断できないだろ。」

とモヤシは声をからせながら言った。

「たしかにそうだな。まだある。肩鎖関節あたりの骨の出っ張りが目立つこと。尾てい骨のくぼみがはっきり見えることだ。この特徴は、お前は当てはまっている。もし、私が河童と判断すれば、逆らいたいと思いたくないほどの苦痛を味合わせ、中国の奴隷として働いてもらう。」

ホンシェンは、針の先を見ながら言った。

「でも、僕ではない。」

とモヤシは絶望を感じながらも必死に抵抗した。

「いや、違わない。指と爪の間から針を入れたことはあるか。私は優しいからな。まずは、細い針から入れてやるよ。」

と言いながら、ホンシェンは笑みをこぼした。

「やめてくれ。話すから、話すからさ…」

とモヤシは降伏する意思を見せようとした。

「いや、何かを聞きたいわけじゃない。」

ホンシェンは、モヤシの指と爪の間に針を突き刺した。しかし、モヤシは叫び声を出さなかった。モヤシはただただおびえている子羊のように震えているだけだった。

「痛くない。なぜだ。」

とモヤシは激痛と指の感覚がないことに驚いた。

「麻酔を知らないのか。お前に注射を打っただろ。麻酔を打てば、針を刺しても痛みは感じない。」

とホンシェンはあきれたように言う。

「ありがとう。もしかして、お前は味方なのか。僕を助けてくれるのか。」

とモヤシは痛みがない理由を理解することができなかった。

「馬鹿なのか。私が味方だと。お前は能天気なのか。まぁ、いい。麻酔を抜けたらどうなるか分かるか。麻酔が抜けていくたびにどんどん痛みが指先から広がっていくんだよ。お前は思うはず、麻酔をもう一度、打ってくれと。でも、打たない。ただ、痛いだけの時よりも苦痛を忘れられる方法を知っている時の方が、人はつらいと感じるんだよ。それが拷問だよ。殺しはしない。我が国のためにお前を服従させる。そして、薬漬けにしてやるんだよ。」

と言い、ホンシェンは再び笑った。

「あははは。僕を拷問?僕はへっちゃらだよ。この通り痛みもない。痒くもない。麻酔?何それ。それって、洗脳薬か。僕はそんなものには負けるわけない。」

とモヤシが自信ありげに言うと、ホンシェンはあきれたように部屋から出ていった。

「ガチの馬鹿だ。まぁいい。どうせ、麻酔切れたら叫び声オンパレードだ。」

とホンシェンは言うが、ホンシェンの方がバカだ。モヤシに針を刺した。しかし、その針は、糸のように細い針だった。痛みは蚊に刺されているのとなんも変わりはない。しかも、麻酔をしているため、刺すときの痛みなんて当然感じない。ホンシェンはモヤシの馬鹿さに呆れて針の太さを変えていくのを忘れてしまったのだ。いつ、そのことに気づくのだろうか。そもそも、気づくのさえもわからない。


次話、11月11日17時から公開予定です。

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