巻き込まれた男
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モチベにつながるので続きを読みたい・面白いと思ってくださった方は何卒よろしくお願いします。
次は村長に雇われた男 ゴンザレス視点になります!
俺の名はゴンザレス。こんなナリだがこれでもBランクのギルドメンバーである。獲物は金槌でパワーを活かして相手を粉砕する戦い方を得意としている。こう見えても妻と二人の息子と共に生活している所帯持ちだ
Bランクだけあってそこそこの稼ぎはあるが、最近仕事の量がめっきり減っている。何やら最近別の町で多くのギルドメンバーが次々と依頼をこなしているのだという。中でも自分より若い身でありながらAランクの実力を持つ者同士で結成したギルドがあり、そのメンバーがかなりの活躍をしているという噂は毎日聞くほどである。
だがつい最近、近くのダンジョンでキマイラが現れたという目撃情報があったようで、Aランクのメンバーたちもキマイラ相手ではどうにもならず敗走せざるを得ない状況まで追い込まれたそうだ。その影響もあってダンジョンに潜る者は激減し、代わりに安全な依頼を各町にあるギルドメンバー同士が取り合うという異常現象が起きてしまったのだ。その影響で収入は大きく減る事となり、中には仕事を受けられないという者も大勢現れたようだ。幸い貯金をしていた事もあって多少は余裕があるが、この状態がそのまま続けば自分たちの生活も非常に苦しいものになる。そんな不安を抱えていた矢先に幸運が転がり込んでくる。
「護衛任務をして欲しいのだが誰か引き受けてくれる者はいないかね?」
とある村の村長が護衛の依頼を持ってきたのだ。内容は至って単純な護衛任務だったのだが、報酬は中々のものでその場に居合わせた者たちはすぐさまその依頼を引き受けた。俺もたまたまその場にいたため、難なく依頼を引き受ける事に成功した。村長の方もBランクの実力者がいれば心強いと喜んでいた。
依頼の内容は村で宴が開催されている間、外敵から村長を守るという任務であった。これがキマイラの住むダンジョンへの採集する際の護衛であったら引き受ける者は皆無だっただろうが、宴の護衛であればかなりマシだ。それでも少なからず魔物の襲撃はあるかもしれないが、それでもキマイラのようなとんでもない魔物に出くわす事はないだろう。これは良い依頼を引き受ける事はできたと内心かなり喜んでいた。そうこの時は……。
村につくと住人たちが宴を開催するための準備を行っていた。あちこちかなり賑わっている。確かにこの状態で魔物に襲撃される事を考えれば護衛を雇いたくなる理由も分からなくはない。
「しかしかなり賑わっていますなぁ」
「一体何の宴なのだろうか?」
俺と一緒に護衛の任務についた者たちが口を揃えて疑問を投げかける。村長が言うにこの村にある茶葉を取り扱いたいという商人が現れた様で、前金として何とジュエルビートルの角を提供されたというのだ。これにはさすがの俺も耳を疑った。ジュエルビートルと言えば滅多に出会う事ができない珍しい魔物と言われている。その角は宝石で出来ているためかなりの額になるのだが、それを前金として渡せるほどの財力を持つという商人はかなりの大物なのだろう。村長が浮かれるもの仕方がないだろう。
「皆様には村の周りの警備と屋敷周辺の警護をお願いします」
村長に指示された通り、俺たちは辺り一帯を見回り、異常がないか確認する事にした。
結論から言うと特に何事もなく時間が過ぎさり、いつの間にか夕暮れとなった。それほど栄えている村ではないからか魔物の類とも一切遭遇せず、盗賊のような輩が侵入している形跡も見当たらない。むしろ雇われた自分たちが一番の不審者と言われても何らおかしくはないくらいだ。
「護衛の皆様。村長様がお呼びです。間もなく宴が始まるとの事なのでぜひこちらへ」
使用人らしき人物が声をかけてきたため、見回りを辞めて村長が待つ宴の会場に足を運ぶことにした。
「ゴンザレスだ。よろしく頼む」
俺はある少年と握手をかわしていた。この少年はバートといい、子どもの身でありながらある商会のトップだという。最初は胡散臭いと思ったが、ギルドでも子どもでありながらAランクの実力を持つという者もいるため、商会を経営している子どもがいてもおかしくはないだろうとこの時は深く考えなかった。
「ささ、ゴンザレス君、飲みたまえ。雇い主と酒を飲みかわすのも仕事の一つですぞ」
宴が始まり、住人たちが料理を口にし酒を飲む。村長は肥満体質気味の体をしているのだが、見た目通りかなりの大食いであった。口に入れた肉を酒で流し込むという贅沢っぷりだ。
「いえ、私は任務がありますので」
「雇い主の私の命令ですぞ? 聞いた方が身のためだと思いますがなぁ」
横暴な態度に思わずため息が出そうになる。こんな男が村長などとは……という思いに駆られるが、気分を損なわして報酬を支払わないとされてもマズイ。周りを見ると自分たちと同じ護衛に参加していた者たちも使用人らしき者たちから酒入りのグラスを手渡されそれを口にし高揚している。俺は仕方なしに村長と酒を飲む事にした。
その後は我ながら酷いものであった。料理も酒も普段お目にかかれないほど高級なものが多く、一度口にすると手が止まらないほど美味であった。いつの間にか護衛の事などすっかり忘れ、村長と宴を楽しんでしまっていた。護衛の依頼を達成すれば金が手に入る。そうすれば妻と子どもたちにも美味しいものを買ってやれる。頭の中は既に依頼を達成し、家に帰った後の事でいっぱいになってしまっていた。
「さぁ、始めるとしよう! 真の宴の始まりを!」
何が起こったのか分からない。目まいや激しい息切れに襲われ立つ事さえままならない状況に陥ってしまった。まるで毒に侵されたかのようだ。村長と共に料理を楽しんでいたが、毒物などが入っている痕跡は一切見受けられなかった。ならこの症状は一体……。考えようとするが思考を邪魔するように苦しみが襲い掛かる。村長が怒鳴り声をあげ、この苦しみの原因を生み出したであろう少年を始末するよう命令されるが体が動かない。よもやこのような形で動きを封じられるとは……。痛恨のミスであった。
「さてと、それじゃあ始めますか! "辛くて苦しい死に方をしたくなかったら、解毒剤を飲まないとゲーム" をな」
少年からバッグを渡されると同時にゲーム開始の宣言がされる。苦しみながらではあるが何とかゲームの趣旨を理解する事ができた。息絶え絶えながらも何とか解毒剤をバッグから取り出し口に運ぶ。すると今まで苦しかったのが嘘であるかのように体が軽くなる。
(まずは状況を整理しなければ)
体調が回復したのを見計らい、俺はその場から逃走を図り考えをまとめる事にした。




