09 SIZ0の生産活動
交番生活一日目だ。できることからやるしかないな。
「あの、材料ってどこにあるんですか?」
「とりあえず、これを使え。
足りなかったら、また追加で渡すからな。でも、余ったらちゃんと返せよ。」
そういって五本の丸太と、拳四つ分ぐらいの大きさの銅を
アイテムボックスから取り出していた。
早速、<解析>をしてみるか。
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中丸太(スギ)
中にかなり水分がこもっている直径20cm程度の木材。
乾かせばよりよく使えるかもしれない。
銅鉱石
純度はかなり低いため直接物を作ることは難しい。
一回インゴットにするとよいかもしれない。
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随分と親切なんだな。
それじゃあ、指示通りにやってみるか。
アイテムボックスから初心者生産キットを取り出し、錬金術の鍋の形に変形させる。
この中に丸太を入れて…この後どうすればいいんだろう?
『錬金術を使用しますか?』
Yesと念じると謎の力で鍋の下に火が付く。
『加湿なら、水を入れてください。』
乾燥させるからパスしてっと。
そうしてじっと眺めていると、丸太がピキッと言って中央の方が割れてしまい、
『乾燥に一部失敗しました。』
そんなアナウンスが流れた。
何もしなかったのがダメだったかな?とりあえず、解析をしないと…。
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割れ目の入った中丸太(スギ)(気乾状態)
何らかの原因で乾燥に失敗し、目回りが割れてしまった木材。
耐久力は少し落ちるが、生材の時よりは、かなり使えるだろう。
原因は様々だが、大体は乾燥のしすぎによる、外温との違いである。
もっと早く乾燥を止めるか、外温との差を小さくするべきだろう。
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この、熱そうな中に手を突っ込むのか。大丈夫かな?
木材を取りだそうと木材に触れると、急激に手がかなり熱くなる。
『状態異常〈低温やけど〉|(軽度)になりました。』
ビックリして手を離すが、手がヒリヒリする。
「生産キットの中に、耐熱手袋が入っているぞ。」
あの警官さんが、少し呆れがちに言った。
…もう少し早く言ってほしかったです。何も考えてなかった自分がわるいのだけれど。
「ほら、手を出せ。」
警官さんに言われるがまま手を差し出すと、
「この者の傷を癒し給え。《キュアバーン》」
「ありがとうございます!」
魔法がファンタジーっぽくていいとか、魔法のネーミングが安直だとかそんなことよりも、
仕事だからといっても、SIZ0の自分を気にしてくれたことが本当に嬉しくなった。
簡単な説明
気乾状態-材料に自由水がなく湿度が、周りの湿度と同じ状態のこと。
現実でもこの状態の物がよく使われる。
目回り-年幹に沿ってできた割れ目。