10 SIZ0の実験
「さて、どうするかな。」
することと言えば、失敗した木材の乾燥と、銅のインゴット作成か…。
やっぱり、先に乾燥を終わらせるかな。
TODOリストは、TOが残っているのが嫌なタイプだからな。
また木材を入れて、一回じっくり観察してみる。
『<乾燥>に一部失敗しました。』
早すぎないかな。これ?
生産キットに入っている温度計を、恐る恐る近づけてみる。
示された温度は…
1000℃。
「絶対にこの温度計壊れてるだろう。
もしこれが本当なら、これで溶けてない鍋って何でできているんだろうな?」
ファンタジー的な力だろうか。そんなことを鉄にしか見えない鍋を見ながらつぶやいた。
そんなことを言っていると、少し席を離れていた警官さんが、扉を開けて戻ってきた。
「あっついな。スキルを使っている人はある程度熱が吸収されているけど、周りはそうじゃないんだからな。」
気をつけるんだぞ。とあまりの暑さにまた戻っていった。
これぐらいの温度なら、金属も何とかなるか?
耐熱手袋をつけて木材を取り出し、銅鉱石を入れてみる。
すると、液体にならなかったものの、色が黒くなり鍋の底にへばり付く。
おそらく、酸化して酸化銅になったのだ。
…いつの間に俺は科学実験をしていたのだろう?
「こうなったら、どうにもならないな。」
スキル<錬金術>をきり、鍋の火を止める。
その瞬間、とんでもない高温が俺を襲う。
「あっつい!ほんとに熱い。蒸発しそうだ。助けてくれ!」
急いでドアを開けようとするが、開かない。鍵でもかかっているのだろう。
『称号【高温に耐える者】を獲得しました。』
そんなアナウンスを受けながら、意識をそっと落とした。
ちょっと説明
銅の融点は1085℃。そして、亜鉛の沸点は、907℃。
もしこれが亜鉛だったら、気化して亜鉛の過剰摂取で胃障害になったり、毒性の煙霧になります。
【よい子はマネしないでね。】




