EX2チンピラの懐古
今回は特に注意点はありません。
【選ばれしもの】である俺、ハイヤはキャラメイクを終え、なんともガラの悪い路地裏へと飛ばされていた。
俺の生きがいは、人を煽ること。
いまとなっては、どうして煽るのが好きなのかは覚えてもいないが。
とりあえず、人を煽りたいのである。驚くことに悪意など一切持っていないのだ。
今までやってきたから続けているだけ。なぜか人はそれに文句を言ってくる。
だから俺は、煽っても誰にも文句を言われないような、力を持つ英雄になりたいのだ。
自分はそういう人間だと割り切って生きてきた。今後もおそらくそうやって生きていくのだろう。
「お前さん、ちょっとこっちに来なさいな」
よぼよぼとしたおばあさんの声だ。
心なしか、今は亡き祖母を思い浮かべてしまうような声だった。
「なんだばあさん。厄介事か?」
「まあ、厄介事かと言えば厄介事かもしれないがね。ちょっとうちに寄っていかないかい?」
「まあ、いいけどよ…」
そうしてばあさんに手招きされ、すぐそばの家に入る。
招かれた部屋には机といすがある。ただそれだけだの殺風景な部屋。
ただ少し、落ち着くような、懐かしいような。そんな部屋だ。
「まあ、座りなさいな。お茶でも入れるからね」
そういって、古びた急須を使い、手慣れた手つきで入れた茶を差し出して来る。
その茶は、小さい頃に飲んだ麦茶だった。
「そんなに長いこと居たい訳じゃないんだが」
そういいながらも、差し出された麦茶に手を出す。
ただの麦茶がやけに懐かしくて。昔を思い出すようだった。
余計に、思い出したくないことまで思い出してしまったが意外と嫌な気はしない。
むしろ嬉しいというか、なんというか。
言葉にできないことをこれほど悔やむことはこれ以上ないだろう。




