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俺、宿を探して少年に会う

ギルドでの仕事が終わり、時間は20時頃だろうか。

外はまだ勇者の歓迎モードが残っていて活気がある。

もうひとつのバイト先である喫茶店では、店を閉めて、他の店と同じように外に出て商売をしている。

このお祭りのような空間にいるだけで楽しい。

今日はどこかで食べてこうかな。

まだ聞かれたことはないけど受付嬢たるもの、オススメできる食事処と宿の情報は持っておかないと!

食事処は僕が働いている喫茶店をオススメするとして、宿はどうしよう。

今回の目的はお泊まりじゃなくて食事だ、とりあえず安くて、美味しそうな食事を出す宿屋を探そう。


とりあえずギルドの近場をうろうろしたところ『子猫のよりどころ』という名前の宿を見つけた。

値段よし、清潔感よし、ギルドにも近い、いいところだ。後は料理の美味しさだ。

座れるテーブルを探しているとあることに気付く。

こんないい宿なのに客が数人しかいないのだ。

分かりにくい場所にあるとはいえ、少し探せば普通に見つかる場所なのに。何でだろう?


そんなことを考えながらテーブルに座ると新しく客が入ってきた。どっかで見たことある気がするのでよく見るとなんと!いつかの少年だった。


「やっほー、シンヤくん」

「あなたは、受付の、ご無沙汰です。」

「うん!ひさしぶり、良かったら隣どう?」

「じゃあ、お言葉に甘えて、失礼します」

「シンヤくんはいつもこの宿に?」

「まぁ、そうですね」

「とりあえずご飯頼んじゃおうか」

「そうですね、では俺はこれで」

「なんかオススメってある?」

「そうですねー、これとこれですね」

「じゃあ、これにしようかな、すいません!注文いいですか?」

「はーい!今行きます!」



出てきた料理を少し雑談しながら食べ、少年とすっかり仲良くなり、料理を食べ終わっても雑談が続いた。


「ミリーさん、ミリーさんって小説にあるような異世界物の復讐する主人公についてどう思いますか?」


いきなりの質問だった。

今までの雑談にしては重たい口調で。

テキトウな返事することなんてできないくらいに。

シンヤくんの目は真剣だった。

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