第17話:情報収集
メリークソスマス!
2話目です。
あとがきのクリスマス短編読んでくれると嬉しいです。
おお、前に見た時はレベル1だったのに今は6になっている。
レベルが上がったことによる恩恵はよく分からないが邪神様を今は信じて戦うしかない。
このまま逃げていてもそう遠くないうちに追いつかれる。
俺は背負った鋼鉄の剣を抜いて振り返る。
ギガントボアもそれに気が付き立ち止まった。
改めて見ると怖い。
あの巨体に体当たりされたら自分なんてひとたまりもないだろう。
だがやるしかない。
高鳴る鼓動を鎮めて……。
ギガントボアが襲い掛かってくる。
勝負は一瞬。
ここ!
俺は一歩右に跳んで左上から右下に鋼鉄の剣を振り下ろす。
振り下ろした鋼鉄の剣はあっさりとギガントボアの巨体を裂いて、俺は血を浴びた。
「う……」
気持ち悪い。
喉元まで出かかった物をなんとかこらえて俺はギガントボアをアイテムボックスにしまい、剣を背に戻した。
「はぁ……」
俺は疲労感を感じてその場にへたり込む。
今日は引き返すか?
甘い考えが頭をよぎる。
正直疲れすぎてもう何もしたくないというのが本音だ。
だが命がかかっているというのも事実。
手抜きをして後悔することになっては遅い。
「仕方ない……行くか」
俺は重い腰を上げて街へ向かう。
早歩きで向かっていたらすぐに街道にたどり着いた。
後はこの道をまっすぐ行くだけだ。
そして俺はしばらくしてトリニの街にたどり着いた。
そしてまた検問で30分ほど待たされた。
返り血をめっちゃ浴びてて色々質問されたが、すべて大人しく真実を話したら通してくれた。
さて、冒険者ギルドに一直線だ。
さっさと要件を済ませて帰りたいところ。
冒険者ギルドへの生き方は一度言ったので覚えている。
扉を押して中に入る。
中に入ると、冒険者たちにじろじろと見られた。
まあ服が返り血で真っ赤だからな。
入口付近にあるクエストの情報や、ダンジョンの情報が載ってる掲示板に向かう。
数人見ていたが、後ろの方から覗いてみる。
俺のダンジョンの情報は……。
あった!
そこにはこう書いてあった。
『先日公開された駆け出し冒険者用ダンジョンについて
駆け出し冒険者用ダンジョンは、先日挑戦した42名が帰ってこなかったため、現在冒険者ギルドが調査を進めております。
本日24名の冒険者を送りましたが、帰ってこなかった場合は高難易度ダンジョンに指定し、Cランク以上の冒険者以外の侵入を禁止させていただきます。
後日騎士団を派遣し、駆除する予定になっておりますので、ご安心ください』
マジかよ。
今日の冒険者は絶対殺せないな。
あの冒険者たちを殺したら騎士団の対策を今あるDPだけで立てなくちゃいけなくなってしまう。
クソ。
やはりもう少し慎重に行くべきだったか?
いや、問題ない。
今日だってあっさり冒険者を撃破し、捕らえることだってできた。
後日というのがどれぐらいかは分からないが、5日と仮定すると60分×120時間×2倍(休憩所効果)×16人でこれから今持ってるDPに追加で230400DPが手に入る。
230400もの大量のDPが手に入れば騎士団も撃破できるだろう。
だが5日は持つだろうか?
正直あまりに苦しくなれば休憩所内で食料をめぐって殺し合いが起こってもおかしくない。
上手く休憩所内で冒険者を飼い続けることが重要か。
さて、そうと決まればここにいても仕方ない。
またあの1時間の道のりを行くのは面倒だが、頑張るしかないか。
そして俺はその後情報量をギルドからもらい、無事ダンジョン内に帰還した。
クリスマス短編
「さて、今日は12月25日。クリスマスだ」
『なんだ? そのクリスマスってのは?」
邪神様はクリスマスを知らないようだ。
まあこの世界にはクリスマスという風習はないからな。
仕方ないか。
「クリスマスってのはですね、サンタという天使が増えすぎた人間を駆除するためカップルを抹殺しにくる日なんですよ。サンタが赤い服を着ているのは返り血を浴びても目立たないようにです」
『ほーう、なんだその心躍るイベントは?」
「そうでしょうそうでしょう。ですからこの世界には存在しないサンタに俺がなってやりますよ!」
『それはいいな! さっさと行け!』
「はい!」
その後俺は7組のカップルを抹殺したが、騎士団に捕まり後日処刑された。
だがその生涯に一片の悔い無し。
※この話は、本編とは全く関係ありません。




