第16話:血に飢えた者
メリークソスマス!
1話目です。
クリスマス短編は2話目のあとがきに置いておきます。
「おい……いつまであの糞ゴーレムども休憩所の入り口にはりついてるんだ」
「もう5時間は経ってるよな……」
正確にはあの冒険者たちを閉じ込めてから現在までの経過時間は3時間40分。
人間嫌なことは非常に長く感じる物だ。
まあ俺は16人の冒険者が220分も休憩所の中にいてくれたおかげですでに7040という大量のDPを得ているが。
できればこのまま固定収入として永遠に休憩所と言う名の鳥かごの中に捕らえておきたい。
まあ恐らくまた明日冒険者が派遣されるだろうが。
今日はひとまずこの冒険者たちの無様な様子でも眺めてゆっくり休……。
いや、待て。
まだ日は暮れていない。
今の時間は13時ぐらい。
とすればここから町に行ったとしても全然時間はある。
このまま手をこまねいている必要性はない。
街に行って冒険者ギルド側がこのダンジョンの事をどう思っているのかを知るべきか。
よし、そうと決まればさっさと行動開始だ。
まずはDP5の菓子パンを2つ。
それから武器も作るか。
鋼鉄のインゴットなんてのがDP1000で売ってるし、折角7000DPなんて収入もあったんだ。7つ買ってクリエイトゴーレムのスキルで鋼鉄の剣でも作るか。
俺は転移でダンジョンの入り口に移動する。
柄や鞘は石で作ろう。
代用できるところは代用して節約していかないとね。
「クリエイトゴーレム!」
俺は素材を用意してスキルを発動する。
よし、完璧だ。
だが予定より長くなっちゃったな。
腰に下げるには邪魔だ。
背中に背負うか。
よし、銀貨は元々アイテムボックスの中に大量においてあるしギルドに行けばこの前の情報量の分が支払われる。
さて、行こう。
トリニの街へ。
この洞窟をまっすぐ進み、深き森を行く。
しばらく歩けば街道が……。
「グォォォォ!」
!?
なんだ……?
だがこの声は魔物だ。
それは間違いない。
この近くにいるのか?
恐怖で心臓がうるさい。
だが周りを見ない事には始まらない。
息を荒くしながら周囲を見渡す。
すると、いたのだ。
全長3メートルもあろうかと言う巨大な猛獣が。
「か、鑑定!」
俺は出来る限り声を抑えて言おうとしたが、焦って大きな声が出てしまう。
『ギガントボア』
ギガントボア?
イノシシか。
「グルゥ!」
き、気が付いた?
ギガントボアは、さっきの声でこちらを向いてしまったのだ。
やばい、逃げないと!
俺は慌てて駆け出した。
元来た道を引き返せばよかったのだろう。
まだダンジョンから歩いてきた道のりは300mほど。
全速力で引き返せばすぐにダンジョンにたどり着き、転移で安全なマスタールームに避難し、大量のミニアイアンゴーレムで迎え撃つことができた。
だが俺は混乱して、あろうことかそのまま街道へ向かって突き進んでしまったのだ。
そうすれば当然。
「はぁ、はぁ。ヤバい! 追いつかれる!」
俺よりもギガントボアの方が若干足は速い。
じわじわと最初にあった距離が縮められていた。
『おい、戦え!』
頭の中に声が響く。
邪神様か。
でも戦えって言われたって……。
「安心しろ! ステータスを見てみるといい。お前はダンジョンマスターとして人間を沢山殺してきたからレベルが上がっている。その剣があればお前が負けることはない」
え、ステータス?
そういえば気にしたことが無かった。
そもそもダンジョンマスターなんだから自分で戦う必要が無いと思ってたし。
だが邪神様が言うなら見てみるか!
「す、ステータス! オープン!」
俺は走りながらステータスを見た。
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名前:黒井 心 種族:人 職業:ダンジョンマスター
レベル6
スキル:『クリエイトゴーレム』『ダンジョン作成』『鑑定』『アイテムボックス』
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