第12神話「人生を活用で広げよう!」
気持ちのいい、小春日和の午後でした。私は、お昼を食べに「ごまんたる」へ行きました。
「がらがら・・・、こんにちは~」と、店内に入ると店主は熊でした。私の姿は、アメリカンショートヘアーでした。
「お? ねこた、久しぶりだべ」
「こんにちは、ご無沙汰しております」と挨拶をして、店内に入りました。ボックス席には、ゆきおさんが座っていました。相席を促されたので、座りながら挨拶をしました。
「ゆきおさん、こんにちは」
「やぁ、ねこたさん。こんにちは~」ゆきおさんが、さわやかに挨拶を返してくれました。するとカウンター席から声が聞こえてきました。
「っせぇよ。しゃべんなよ! だ・ま・れ! せずね! しゃ~べんな!」ホルモン氏がテレビに向かって永遠にツッコミを入れていました。
「あれは、何をしているのですか?」私は、小声でゆきおさんに聞いてみました。
「テレビに向かって文句を言うと、永遠に勝てるからストレスの解消になるそうです」
「変わった趣味ですね~」
「ときどき理解に苦しみます」ゆきおさんは、くぴっとお冷を飲みました。私は、ぺらぺらペラとメニウをめくりました。
「よぉよぉ、俺に挨拶はないのか?」私の気配に気付いたホルモン氏が、振り返りながら言いました。私は、謝りながら挨拶をしました。
「見えませんでした。すみません。こんにちは!」すると、ゆきおさんが立ちあがり、準備されたばかりの石油ストーブの方へ歩いて行きました。石油ストーブを使ってやかんでお湯を沸かしていました。ゆきおさんは、立ち上がる湯気を一身に浴びて上昇気流を楽しみ始めました。目に見えてホルモン氏を避ける行動でした。
「お前知っているか?」ホルモン氏がゆきおさんの席に座りました。
「はい、何でしょう?」
「ブラジルの首都は、ブラジリアってんだ」
「そういえば、そうですね」
「ブラジル、ブラジラー、ブラジリアって活用するんだ。だから、ブラジルの首都は、ブラジリアなんだ。覚えとけ。今後俺に、足を向けて寝んなよ」ホルモン氏は得意げでした。
「だから、メキシコの首都は、メキシコ、メキシカン、メキシコシティなのですね?」私は、反撃してみました。
「・・・あぁ、そうだよ。良く知ってんな・・・」ホルモン氏は、口数が減りました。
「威張る、威張らー、エベレスト。だから、エベレストは世界一高い山なんですねぇ」私は畳みかけました。
「・・・知らねーよ。ネットで調べろ!」
「威張ると世界一になれるのだから、凄いです」と感心すると、
「ちょっと、便所を汚してくるわ」と言って、トイレに消えました。
「ホルモンや! 汚すんなら、使うんじゃねぇべ!」と、大将に注意されました。遠巻きに、コアラのお姉さんと大将が話していました。
「ねこたさんって、ホルモン氏の扱いが上手ですねー」コアラのお姉さんは感心していました。
「あぁ、めんどくせえ客だから、助かるべ」
私は、久しぶりに新しいメニウを食べたくなりました。
『ごまんたる・秋のスペシャル・メニウ』
≪銀河系・ステキ体験コース・25光年≫
≪世界七不思議・観光体験コース・25世紀≫
≪歴神話巡り・神様のためいきコース≫
≪どーだっ系・ど忘れ年忘れコース≫
≪実りの秋・根こそぎ食べつくしコース≫
≪晩夏の忘れ物・水+甜瓜=西瓜(スイカ)・コース≫
≪・・・≫
私は不思議に思いました。
「(そういえば、この間も『不老不死体験系・神様はゾンビ?・不定期・特別限定・稀少レア・今度はいつ食べられるか分からないよコース』というのがあったな~。ごまんたるでは、神様とお話が出来るのだろうか?)」疑問に思った以上、確かめずにはいられませんでした。従って、速やかに注文しました。
「よし! 取材をしに行こう!」と、心に決めました。
≪歴神話巡り・神様のためいきコース 25回目≫
◎ドリンク:
・目ぼしい梅干しいジュース(スッぱりして、さっキリした味わいです)
◎メイン・メニュー:
・ぽせい丼(アッてり味、こっサリ味、もっプリ味、プリちり味から選べます)
・あてナポリタン(戦略的にお召し上がりください)
・ぜうステーキ(食べると雷に似た食感をお楽しみいただけます)
・きな昆布シイタケ(粉じょっぱい食感を、お楽しみください)
◎サラダ:
・メデューサラダ(直接見ると石になるので、お気を付けください。※石化防止サングラス付き)
◎デザート:
・チュロス・チュリトス・チュラリトス(活用させると味が変わります)
※「バームクーヘン・滅多に食えへん」は、おかわり自由です!
いつになく、メニウが充実していました。全部食べきることが出来るか心配でした。
「ぺろり!」なんなく全てを平らげました。毛づくろいをして、眠りの準備をしていると、大将に話しかけられました。
「ねこた、一応これを持っていけ」渡されたのは、巾着に入ったミニたっぱ二つでした。
「みなさん、行くのですか?」
「あぁ、ホルモン氏も行くべ、暇そうだから・・・たのんだべ」と言って、大将は「ニカッ」と笑いました。私は、汗をたら~りと流しながら返事をしました。
「承知しました・・・」気を取り直して、座席の上で丸くなりました。
I am dreaming now・・・。Let’s go into the history!
まどろみ、まどろまー、まどろみすと・・・
パチクリと目をさますと、パルテノン神殿の前に居ました。
【パルテノン神殿】ギリシャのアクロポリスの丘に建築された、大理石で作られた神殿。ドーリア式と呼ばれる建築方式で作られた。建設当時は世界最高峰であった、ギリシャ神話のアテネを祀る神殿である。黄金比を巧みに利用した造形美は、多くの人々を魅了してやまない。
「にゃむっ」と起き上がり、辺りを見回しました。
「キョロキョロ・・・」目の前に、狐のお姉さんが立っていました。
「ねこたさん、お久しぶりです」案内人は、鷲馬狸狐さんでした。
「ご無沙汰しております」
「ご無沙汰~」ゆきおさんが目覚めました。
「ごびさば~」ホルモン氏が目覚めてしまいました。
「はぁ~、今日は大変な一日になりそうですわ・・・」リコさんがため息をつきました。




