13 もうぼっちじゃない
次の日から、クラスでの嫌がらせは無くなった。
僕に対しても、山野さんに対しても。
僕に対しては、以前と同じで、関わらないようにしていた。
盗まれた教科書なども返って来た。
捨ててなかったんだ……。
山野さんに対しては、無視はしていないが、腫物を扱うような感じになっていた。
山野さんはどう思ってるのかな。
以前と同じように、みんなと接したいと思ってるのかな。
まあ、それも山野さん次第かな。
僕から離れて、みんなと前みたいに友達に戻るのもいいだろう。
僕は元々一人だったし。
と、思っていたんだけど。
「おはよう!横峯君!」
「おはよ、山野さん。」
山野さんは通常運転。
「これ!昨日買ったの!女の子が主人公なんだけどね?」
「へえ、こういうのは読んだことないや。」
「でしょ?ちょっと気になってたの!で、面白いの!」
「ふーん、どんなの?」
「それがねーーーーーーーーーー」
それからというもの、昼は山野さんと一緒に弁当を食べて、放課後は一緒に帰って、たまに僕の家に来て、小説を読んだり、ゲームをしたり。
休みの日も、毎回ではないけど、偶に二人で出かけたり。
そんな日々を送るうちに、二人で居る事に慣れてきた。
一人の時間が好きだったけど。
二人の時間も楽しいと思えるようになった。
山野さんは僕に気を遣って、いつも誘うときに嫌だったら断って、と言ってくる。
僕も山野さんばかりに気を遣わせるのは、と思うようになった。
たまには山野さんが楽しいと思う事に付き合うようになった。
まあ、悪くはないって感じだ。
一度、山野さんに聞かれた。
嫌がらせに対して、僕が何かしたんじゃないかって。
そりゃ気付くよね。
殴ったことは言ってないけど、脅したことは言った。
危ない事はしないで、と怒られたが、同時にありがとう、とも言ってくれた。
僕も山野さんに聞いた。
前みたいに、みんなと友達付き合いしないの?って。
もう嫌がらせはされないと思うから。
うーん、と少し考えてから、今のままでいい、と。
僕と一緒なら、今のままでいい、って。
あ、相変わらずストレートなんだね。
僕は中学のあの頃から、ずっと友達がいなかったから。
友達付き合いすら、どうやっていたか忘れていたから。
恋愛なんて、まだ敷居が高いんだ。
でも、まあ。
今の時点でも、山野さんの事は大事な友達だと思ってる。
最初の印象は、最悪だったけど。
みんなが僕の敵に回っても。
山野さんは僕の味方でいてくれたから。
これからの事はわからないけど。
恋愛対象として山野さんを見れるかはわからないけど。
でも。
ありがとね、山野さん。
最後までお読み頂きありがとうございました。
感想など書いて頂けると嬉しいです。




