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通称Draw教室Ⅹ

 俺は気づいたら、謎の部屋にいた。

 確か……

 朝食会場に向かってる最中、誰かに気絶させられた気がする。

 俺は周りを見渡し、誰がいるかを確認した。

 すると、全員同じ班の人だったため、俺は驚いた。

 そして、同時に思った。

 月子は残念ながら、今日は麗華と一緒にいられないんだなと。

 俺は再び見渡してみると、咲だけがまだ目覚めてないことに気が付いた。

 そのため、俺は咲に声をかけた。

 すると、咲の瞼がぴくぴくと動き、咲は体を持ち上げた。

 そして、キョロキョロと周りを見た。

「あゆむ、ここはどこ?」

 咲は口を開き、壁についているドアを開けようとした。

 しかし、ドアはびくとも動かなかったため、閉じ込められていることに俺たちは気が付いた。

「もしかして、閉じ込められている!?」

 真希が大きな声で叫んだ。

 こりゃ、まずいぞ!!

 誰も助けに来なかったら、飢え死にしてしまう。

 朝ごはんを食べていないから、力も出ないし……

 そんなとき、天井からモニターが降りてきた。

 そこには見覚えのある人物が映し出されていたため、思わず俺は口に出してしまった。

「……四葉先生!?」

「これは私からみんなに一方で送られているものだから、返答できないの。それを踏まえて聞いてね!!」

 モニター越しに見える四葉先生はなぜかニコニコしていた。

 「私たちはみんなを拉致したくてしたんじゃないの!これがDraw教室のw、わくわくの脱出ゲームよ!」

 四葉先生の声が弾んでいることから、これから楽しいことができると予想できる。

 でも、嫌な予感が……

 すると、紫央が手をちょいちょいと動かしているため、俺は紫央の方へ歩き出した。

 ある一定の距離まで近づくと、紫央は俺に耳打ちをしてきた。

「歩、脱出ゲームって四葉先生は言っていただろ?でも、おかしいところが1つだけあるんだ。」

 その言葉を聞いて、俺は首を傾げた。

 おかしいところ?

 さっきの説明でおかしいところはあったか?

 いや、なかったよな……と考えていると、紫央は言葉を続けた。

「それは、この部屋の壁の穴から見えた先に斧や剣があったんだよ……もしかして、脱出ゲームじゃなくて、デスゲームかも……」

 えっ……!?そんなことあるのか?

 でも、デスゲームとかもわくわくするとか言いそうな先生だし……

 冷静に考えてみると、そんなわけがないと結論が出た。

 子どもたちにデスゲームをやらせる先生なんていないからだ。

 もし、死人が現れたら、学校の評判はだだ下がりだし……

 何も考えてなさそうな人しかそんなことやろうとしないだろ!!

 だけど、ここに連れてくる際に俺たちのことを気絶させたから、もしかして……

 と深く考えていると、咲が無邪気に壁を触った。

 すると、咲はとても焦って、騒ぎ始めた。

「えっ!?私、変なもの触っちゃった!?どうしよ〜!」

 おいおい、勘弁してくれよ……

 また、変なことが始まりそうじゃねーか。

 すると、ガチャンと壁が動き出し、新たな部屋と繋がった。

「なんか、武器庫って書いてあるぞ!!」

 陽翔が指を指したところには、確かに『武器庫』って書いてあり、様々な武器が飾ってあった。

 斧、剣、弓矢、ガン、ナイフなどなど。

「もしかして、本当にデスゲームが始まるのかも……」

 俺は思わず口に出した。

 その言葉に対して、何か思ったのか、麗華が声をあげた。

「デスゲームではないと思いますわ!もしかして、デスゲームというものを知らない方ですの?」

 あー。

 よく考えたら、俺デスゲームの定義をよく知らないかもしれない。

 みんなデスゲームデスゲーム言っているから、何も考えずに使っていた。

 何も答えられずにいると、麗華がため息をついた。

 そして、言葉を続ける。

「はぁ、本当にデスゲームの意味を知らないようですわね。デスゲームというものはこの場で人が死ぬようなことが起きるのですわ。例えば、ゲームマスターが『目の前に三本の鍵があります。この鍵を正しく一人一回使って、目の前の箱を開けられたら、生きることができます。ただし、失敗すると死んでしまいます。多くても、犠牲者の人数は二人になります。』って言うのですわ!」

 この話を聞いて、ここにいた麗華以外の表情が固まった。

「みなさん、どうしましたの?そんなに、顔を強張らせて……わたくし、変なこと言いました!?」

「「「「「……」」」」」

 俺たちは、何も言わずに後ずさりを始める。

「えっ!?わたくしからどうして逃げようとするのかしら……理由を教えてくださいまし!」

 麗華がそんなことを言っているが、関係ない、早く逃げないと!

 俺たちの気持ちは一つであった。

 だって、麗華がそんなにデスゲームに詳しいかわからないからだ。

 もしかしたら、麗華自身がデスゲームのゲームマスターかもしれない……

「もしかして……麗華って…デスゲームのゲームマスターをしたことがある……?」

 恐る恐る真希が口を開いた。

 麗華はその言葉を聞いて、上品に笑った。

「そんなことを思っていましたのね!」

 そして、麗華は触覚と呼ばれる長い髪を指にくるくると巻きつける。

 そして、再び言葉を続けた。

「デスゲームというのは、お祖父様がよく開催していますの!何をしているのか分かりませんけど、『解放』とかよくおっしゃっていますわね。」

 その言葉を聞いて、俺たちは驚愕する。

 デスゲームを総理大臣が開催しているということは、日本はもうおかしくなってしまったということになる。

「みなさん!?絶望しているようですけれど、大丈夫ですわ!!!デスゲームは日本を良くするために行っているようですね。ランク分け制度と強く結びついているようですが……」

 その言葉を聞いて、俺たちは安堵のため息をつく。

 流石になんらかの意図があったのか……

「その話でいくと、僕も似た話を持っているよ!?」

 紫央は驚いた声を上げ、話しだした。

「それはね、母さんから聞いた話なんだけど、都庁の地下には謎の施設があって、人体実験をしているようなんだ!!」

 それを聞いて、またもや俺たちは驚愕する。

 今度こそ、やばい話なのか!?

 だって、都知事が怪しい実験をしているなんて……やばいじゃないか!?

 この気持ちを表すふさわしい言葉が思いつかない。

 語彙力がなさすぎる!!

「ふふ!そんな驚かなくて良いんだよ!国会議員とも協力しているようだし!安心だよね!」

 その言葉を聞いて、俺たちは表情を強張らせた。

 だって、国会議員も怪しい実験をしているなんてもうこの国は終わりだ!!

「もう、この国はおかしくなったの!?ランク分け制度なんか作ったから!?」

 真希はシーンとしたこの空気を破って、声を上げる。

「そんな変なこと言ったかな!?………あっ…とある症状に侵された人々を研究してるって言ってたな。そして、地下室に入るだけで弱い症状は治るらしいよ!」

 俺たちは安堵のため息をつくはずなんだが、なぜか紫央に怒りの矛先が向いていた。

「ちょっと〜!紫央、その情報は早く言ってよ〜。」

「そうよ!真希はこの国にざんざんなことを言ってしまったの!」

「もう、わたくしも人のことは言えませんけど、少しは言う順番は考えなさいよ!」

 みんな次々に紫央を責めていく。

 俺も何か言おうとしたとき、陽翔が紫央の前に立ちはだかり、紫央を守る素振りをした。

「みんな!誰だって人は間違いを犯すんだよ!だから、失敗したってそんなに責めちゃいかない!学校というものは失敗して、成長するところなんだから!!」

 その言葉を聞いて、俺たちは納得する。

 俺は勇気を振り絞って、口を開く。

「俺も、昔取り返しのつかない間違いをしてしまった。でも、みんなに責められることはなく、咲なんて慰めてくれた。みんなにもそういう経験あるだろ?」

 俺の素晴らしい演説を聞いて、改心したのか、麗華が話した。

「そう言えば、わたくしも小学校の頃、友達を突き飛ばして、学校の池にその子を落としてしまったことがあるわ!その時は月子が弁解してくれたわ……」

 月子なら麗華のことを庇いそうだなと俺が思っていると、月子が口を開いた。

「そうなのよ!麗華様は悪くはないのに……だから、私が麗華様のために後始末をしたの!」

 俺たちは月子の言葉を聞いてから数秒後、俺たちはハッ!ととあることに気が付いた。

「「「「「「いつから、月子がいたの!?」」」」」」

 すると月子は嬉しそうに微笑んだ。

「紫央が責められているときからよ!ほら、後ろの扉が開いているでしょ?私が歩くだけで勝手に扉が開くのよ!これも、私が麗華様のところへ辿り着くように設定されていたのね!」

 月子は一人て納得している。

 月子は強運の持ち主のようだが……

 俺は一つ気になったことがあるから、月子に尋ねてみた。

「なぁ、月子?月子の班の人たちはどうしたんだ?一緒に来ていないみたいだけど……」

 すると、月子はハァとため息をついたあと、口を開いた。

「あぁ、多分私が麗華様のいる方へ歩いている最中に置いてきたんだわ……麗華様への気持ちがなっていないから、辿り着けなかったのね……愚かな人々だわ……」

 落ち着いて、話している月子の口から、えげつない言葉が出てくる。

 それに対して、麗華は驚いた。

「ねぇ、月子?わたくしは神様ではないから全員が崇拝しなければならないわけではないのよ?それは分かっておりますの?」

「えぇ、麗華様!わかっておりますとも!ですけど、麗華様の素晴らしさは全員理解するべきです!」

 そして、月子は俺たちの方を向いて、口を開く。

「ねぇ、麗華様と同じクラスになれた者たち?あなた達は理解しているでしょう?」

 急に俺たちに話の矛先が向いた為、つい後ろに退いてしまった……

「あぁ、誰も理解していないようね!早く麗華様の良き理解者になりなさい!」

 やばい、俺たちに月子が歩み寄ってくる!?

「月子、やめてくださいまし!!わたくしのために争わないで!」

 麗華が何を言っても、月子は歩みを止めない!

 俺たちはこのまま、麗華の取り巻きになってしまうのか……

 そう思っていたとき、俺たちの背後から誰かの影がシュッと飛び出してきた!

「つっきー!止めなさい!」

 その影の持ち主はそう叫び、目に留まらぬ早さで月子を手刀で気絶させた。

「私は天竜(てんりゅう) うらら(うらら)と申します!以後お見知りおきを!」

 月子を一瞬で気絶させ、俺たちと同じジャージを着た彼女は身長140cmにも満たなかった。

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