42話 暁
冒険者ギルドにつくと、扉を開ける。中に入るとどの列で受付するのかを話し合うことになった。
「ミリアさんの所で受付してもいいかな?お世話になっている人でパーティー探しを頼んでたからさ」
「ミリアさんってあの美人な受付嬢か、俺は誰でもいいぞ?」
「ありがとう」
俺とジーク、クレアちゃんの3人はミリアさんの列に並ぶことにした。少しすると俺達の番が回ってきた。
「あれ?先程ぶりですねケイさん。珍しいですね、ケイさんが他の人と一緒にいるのは」
「俺だって好んで一人でいたわけじゃないよ?、俺だって誰かといるときはいるし。例えば赤い牙とか、トルーヤさんとか?」
(そう言うと俺って年上の人としか知り合いっていないんじゃ、あっユリがいた!危なかった、このままだったら同年代の知り合いがいない寂しいやつになる所だった)
「あっいえ、違うんですよ?そういうことじゃなくて、同年代の方とって意味でして。今日はどのような用事でいらしたんてすか?」
「魔道具屋のお礼をしに来たのと、ここにいるジークとパーティー申請をしようと思ってね。わざわざ頼んだのにごめんね」
「無事にトキハカリを買えたんですね。いえ、私達が見つけた方が確実ではありますが、ご自身でこの人だって思ったのであれば、そちらを優先でかまいませんよ。相性もありますから気にしないでください。それでジーク様でしたね、こちらにいるケイさんとパーティー申請をするということでよろしいですか?」
するとミリアさんを前にして若干緊張気味のジークはたどたどしく
「は、はい!それでお願いします」
「ふふ、そんなに緊張なさらないで下さい。いつも通りの話し方でいいですよ?」
「やっぱり美人を、前にすると、緊張はするものですよ。慣れるまで、これでいかせて、もらいます」
「いや、固すぎだろ」
「全くお兄ちゃんったら、美人の前だとすぐ鼻の下を伸ばすんだから」
「ふふ、それではパーティー申請に入りますが、パーティーメンバーはケイさんとジーク様のお二人でよろしいですか?」
「はい」 「それで、お願いします」
「次にパーティー名なんですけど、どんな名前にするのか決めていらっしゃいますか?」
「そういや、決めてなかったな。ケイは何か案はあるか?」
「んーそうだな。「暁」ってのはどうだ?暁は夜明け前って意味なんだけど、俺達の冒険が今から始めるって感じでこういう名前が思いついたんだけど、どう思う?」
「へぇーいいじゃん。よし、それで!」
「お、おい、案を出したのは俺だけど、そんな簡単に決めていいのか?」
「リーダーはケイだし、名前も意味もいいと思ったんだからいいんじゃねぇーか?」
「リーダーが俺ってのも初めて聞いたんだけど」
「そりゃそうだ、だって今初めて言ったからな」
「はぁ、もうそれでいいや。ミリアさん、パーティー名は暁でお願いします」
「ふふ、ケイさんはこれから大変そうですね」
「ほんとですよ、先が思いやられます」
「でもケイ、お兄ちゃんだとリーダーは無理だよ。それに暁って名前かっこよくて素敵だよ」
「ありがとう、クレアちゃん」
「やっぱり、クレアは俺のことをよく分かってるな」
(いや、ジークよそれでいいのか)
「それではケイさんとジーク様は冒険者カードを出してください」
俺とジークはミリアさんに冒険者カードを渡した。それを受け取ったミリアさんは何か紙にすらすらと文字を書いて、書き終わった紙と俺、ジークの冒険者カードに重ね、魔道具の上に置いた。ミリアさんが魔力を注ぐと少しだけ輝いた。
「はい、以上でパーティー申請は終わりです」
ミリアさんから渡された冒険者カードを見てみると表記が少し変わっていた。
ー冒険者ギルドカードー
名前ケイ パーティー「暁」
ランク C パーティーランクD
職業 冒険者 武器ー 魔法ー
「冒険者カードに表記されている通りですが、パーティーランクはパーティーメンバーの中で1番低いランクに合わせています。これはランクが高い人への寄生を防止するとともに、自分の実力よりも上のクエストを受けさせない為のものとなります。他にパーティーについて聞いておきたいことはありますか?」
「俺はないよ、ジークは?」
「俺もない、ですよ」
「分かりました。ではこれからのご活躍期待していますね!」
俺達3人はミリアさんにお礼を言いつつ、冒険者ギルドを後にし、今後の事を話すためにジークとクレアの家に移動した。
「それにしても緊張しすぎだろ」
「しょうがないだろ、普通に生活しててあんなに美人な人と話す機会なんてないんだから」
「お兄ちゃんはケイを見習って堂々としてほしかったよ」
「ジークはもっと男!って感じの人だと思ってたのに、結構純粋なんだな」
「普段はいいんだけどよ、クレアとしか基本的には話さないし、でも人と話すのも正直苦手だ」
「私もお兄ちゃん以外と話すのは苦手」
「そうか、ジークとクレアはゆっくり慣れていったらいい、それまでは俺に交渉とかは任せとけ」
「これで俺より年下なんだもんな、しっかりしすぎてて年上に見えてくる。ケイを暁のリーダーにして良かった」
「お兄ちゃんだったらパーティーが潰れちゃってたかも」
「ありえそうだから、やめてくれ」
「まー誰でも得意分野と不得意分野があるし、俺は人と話すのは苦手じゃないからそう思うだけだよ。それで話は変わるけど明日からどう動きたい?」
「そうだなー、俺には狩りに行くぐらいしか考えが出てこない。ケイはどうしたいとかあるのか?」
「んーとりあえず、ジークって今どのくらいお金持ってるんだ?」
「お金?どうしてだ?」
「俺達はまだお互いの能力を知らないし、連携もできない、そんな状態で幻の森に行くのは命取りになる可能性もある。それにジークに切り裂き大熊を倒せるだけの実力も身につけてほしいから、冒険者ギルドの地下訓練場に行こうと思ってるんだけど、そしたら稼ぎが0になるだろ?もしお金がないなら先に何度か狩りに行く選択肢もあるし」
「ケイっていろんなこと考えてるんだな」
「お兄ちゃんはもう少し考えて、ケイの負担を減らしてあげてね」
「分かってるよ、それでお金だったか」
するとジークは席を立ち、床の板を外して、床の下から袋に入れられたお金を取り出した。
「おい、いくら同じパーティーとはいえ、不用心すぎないか?俺が悪さをするやつだったらどうする」
「ケイはそういうことをするやつなのか?」
「いや、しないけど」
「ならいいじゃん」
「お兄ちゃんはケイのこと信用してるんだよ」
「それにしても、俺達はまだ会って1日も経ってないんだぞ?」
「信用にどれだけ長くいたかなんて結局関係ないよ、その人が信じれる人かどうかだけ」
「クレアの言うとおりだ、俺達はお前を信じてるただそれだけだ」
(もともと裏切るつもりなんてなかったけど、この二人だけは何があっても裏切れないな)
「裏切られても知らないからな」
二人からの信頼に恥ずかしくなった俺はそんなことを言ってしまった。すると二人は笑いながら
「その時は、俺達の目が節穴だったってだけだな」
「ケイに裏切られるならいいよ」
「ケイあんまり照れんなって、こっちまで何だか照れてくるだろ」
「珍しくクールじゃないケイが見れてるんだから、お兄ちゃんは黙っててよ」
「照れてないわ!ほらジーク、いくら持ってるんだよ」
「それだけ聞くとケイが金を取りに来たやつみたいだな」
「茶化すなよ、それでどうなんだ?」
「まーざっと大銀貨8枚とかはあるな」
「結構持ってるな、それなら何回か狩りに行かなくても練習に入れるな」
「だろ?Dランクで稼ぎはいいし、俺とクレアはどっちもお金を使わないから、こうやって貯まっていくんだよ」
「それじゃあ、明日から訓練をしに行くって事でいいか?」
「俺はいいぜ」
ここでクレアの方を見ると寂しそうにしていたので
「訓練、クレアも来るか?」
と聞くと寂しそうな顔が一転し嬉しい顔に変わっていた。
「ほんと!?私も行ってもいいの?」
「流石に狩りは無理だしジークがいいって言うならね。訓練なら身を守る手段にも使えるし、損になることはないからさ。そういえばクレアって何歳?」
「私?私は13歳だよ」
「そっか、クレアは将来何になりたいんだ?」
「お兄ちゃんと一緒に冒険者をやりたい!」
「と言っていますが、ジーク的には反対か?」
「いや?俺はクレアがやりたいならいいんじゃないか?」
(まージークは女の子なんだからとか言うタイプじゃないか)
「それじゃあ尚更、訓練に行くか」
「ケイ、お兄ちゃん、ありがとう!」
「どういたしまして」「おう」
「それじゃあ明日から皆で訓練することに決定!」
「「おー!」」
その後も少しお互いのことを知るために話したり、何でもない会話をしたりして仲を深めていった。
(この世界に来て若返ったせいか、このぐらいの年のやつといる方が落ち着くな)
日が落ちて辺りが暗くなりつつある外の景色を見て、そろそろ帰ろうかと腰をあげた。
「外も暗くなってきたし、そろそろ帰るよ」
「えっ?ケイ帰るのか?俺はてっきり泊まってくもんだと思ってた」
「そうだよ、泊まっていけばいいのに」
(確かにジークとクレアの家は二人が寝てもまだスペースが余っており、俺が入っても問題はなさそうだけど、どうしたもんかな。これからパーティーを組むんだし、もっと仲を深めておくのもありか)
「ジークとクレアがいいと言ってくれるなら泊まらせてもらうよ」
そう言うとジークとクレアは嬉しそうな顔をした。
「誰かを家に泊めるなんて初めてだな」
「嬉しい」
夕食も食べ、3人で辺りが見えなくなってからも眠くなるまで、話をした。修学旅行の夜の様な楽しい雰囲気のまま、次第に眠気に襲われ俺は意識を手放した。
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マジックボックス
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(176万0900円)
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解毒ポーション×2
解麻痺ポーション×2
解眠りポーション×2
石剣 鉄剣 銀の小盾 鉄の胸当て




