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この異世界冒険譚の主人公はオレじゃないだと?!  作者: 茶々丸ex
ダンジョン編
28/30

昇華へ

予約投稿ミスりました。すいません。今後気をつけますm(_ _)m

デーモンを誰にも知られずに討伐し、ルジュールと出会ってから二週間後、ついにアリシアがドラゴンを討伐するために必要なレベルまで成長した。



アリシアとルジュールは最初こそ衝突もあったが、歳もそんなに離れていないこともありほぼ毎日一緒にダンジョンに潜っていたので仲良くなったため共にドラゴンの現れるという龍窟へと向かう。なおシンの意見はシャットアウトされている。それにルジュールは卸者ができるというのもプラス要素になった。



龍窟はドラゴンと確実に出会うことができる唯一の場所。ドラゴンに勝てる人材はほんの一握りしか存在しないため、わざわざ龍窟に行くような人どころか近づこうとするような人もいない。龍窟に立ち寄るのはアリシアのように昇華(ランクアップ)をする目的を持つ人か魔法使いでなくてもドラゴンで腕試しにくる人だけだ。



アリシア、シン、ルジュールは現在馬車に乗って龍窟へと向かっている。



「うー、緊張してきたー」



「もう安全マージンは十分とってあるから大丈夫だと思うけど。(グレータードラゴン)クラスがでない限りは……」



「だがらそういうこと言わないでよ……。もし本当に古代龍が出てきたらどうするのよ」



「確かに今のはフラグになるか」



「ふらぐ?なにそれ?」



「いや、こっちの話だから」



シンが誤魔化したところでルジュールが報告してきた。



「お二人方。そろそろ龍窟が見えてくるぞよ」



ルジュールが前方を指差しながらそう言う。ルジュールの指す方を見てみると確かに神秘的なオーラを発する洞窟の入口がある。もっとも、その入口は洞窟のものとは思えないほどの大きさをしているが。入口の大きさは軽く見積もっても10メートル×10メートルある。龍窟はドラゴンが現れるのだがらドラゴンが通れるサイズの入口になっているのだろう。



「出来れば相手にするのはワイバーンがいいわ」



「ワイバーンなら苦労しないだろうけど。龍窟で1番目撃が多いのはノーマルなドラゴンらしいよ」



ワイバーンは劣竜と呼ばれるドラゴンの一種でドラゴンの中でも最弱であることで知られている。ワイバーンは数が多く、好戦的なため目撃数も討伐数もダントツで1番だ。



ドラゴンの順列は劣竜(ワイバーン)普竜(ドラゴン)属性竜(エレメントドラゴン)(グレータードラゴン)古代龍エンシェントドラゴン龍王(ドラゴンロード)となる。



なお古代龍より上のドラゴンは滅多に現れないというか存在だけが伝承によって受け継がれているだけの状態になっている。グレータードラゴンは約100年に1度ほどの割合で出現しており、その度にその時代の強者に招集をかけてグレータードラゴンを撃退する。



補足するならばワイバーンはアリシアでも余裕で倒せる。ドラゴンは実力がほぼ互角。エレメントドラゴンならば持久戦に持ち込んでも勝敗が分からない、といったところ。



シンならばエレメントドラゴンまでは圧倒できる。グレータードラゴンとなるとエンシェントエルフに変身していてやっと戦える程度となる。流石のシンと言えども厄災とされるグレータードラゴンを1人で倒せるわけではない。



次いでにルジュールの実力というとステータス的には総合値はアリシアとほぼ互角と中々の実力者。剣の腕も一流でアリシアとシンと共に戦っても引けを取らない。この実力もそ2人と一緒にいられる1つの要因になっている。ルジュールもドラゴンならば1人で倒せるレベルになっている。



要するに確率で言えば今回でアリシアが昇華(ランクアップ)できる確率は高いと言える。龍窟では約70%の竜がドラゴンかワイバーンとされている。他の30%に当たるかもしれないがその時はシンと変わることになっているため余程のことが無い限り安心なのだ。



3人の乗った馬車は進み、龍窟の入口へと到着する。馬車は近くの湖のほとりに置いて馬を休ませて置く。装備を整えて龍窟へと乗り込んだ。



「入口を見て想像してたけどやっぱり広いな」



「そうだな。洞窟なのに天上が見えないというのは中々貴重な体験だ」



「ドラゴンが作ったのかしら? 」



「そういう説もあるらしいね。人の手で作れるような規模じゃないからドラゴンが作ったか自然と出来たかのどちらかだとされているって聞いたことがある」



雑談をしながら3人は更に奥へと進む。ドラゴンが現れるのは最奥だとされている。噂では最奥の空間の更に奥にドラゴンの住処があるとされているが確かめた人はいない。もし誰か入ったとしても生きて帰っては来れないだろう。



歩くこと15分。遂に最奥の空間の入口が見える。



「じゃあまずはオレが見てくる」



「気を付けてね」



「シン殿なら大丈夫だと思うが用心するのだ」



アリシアとルジュールに見送られ、シンはどのドラゴンがいるか確認しに向かう。



「さてと、頼むから当たりであってくれよ」



シンが祈りながら壁から覗き込むとそこにいたのは、



「ノーマルのドラゴンか。よかっ……って2体だと!?」



シンが最初に目にしたドラゴンの更に奥にもう1体のドラゴンがいたのだ。ドラゴンが2体。このような状況は予想していなかった。



ドラゴンは基本的には単独行動をする。住処はあっても群れるようなことは決してしない。するとするならば、



「番のドラゴンか。厄介だな」



繁殖期にのみオスとメスのドラゴンが一緒にいることが知られている。番のドラゴンは特に厄介で繁殖するためのエネルギーを溜め込んでいるし、気も立っている。それに繁殖期にあたる約6ヵ月の間離れることが無いので2体同時に相手をしなければならない。



シンはアリシアとルジュールの元へと戻り見てきたことを報告する。



「ふむ、番か。この場合はこちらも2人で戦ってもよいのか?」



とルジュールが言うが、こんな場合の前例がないためわかりようがない。



「だけどアリシア1人で戦う訳にはいかないからオレも出る。でも昇華(ランクアップ)のためにも、片方のドラゴン、出来れば強い方をなるべく早く倒するようにする」



「そうするのが1番良いかもね」



「ならオレが先に出てオスの方に仕掛けるからアリシアはメスのほうに邪魔させないようにしておいて。オレがオスのドラゴンを片付けたら倒すための戦闘に集中。これでいい?」



「わかったわ」



「あとルジュールは万が一はアリシアのこと頼む」



「心得た」



作戦も決まったところでシンが一気にドラゴンの前へと躍り出る。



「最初から全開だ!『ステータス反転』」



翡翠の光を纏う史上最強と謳われたエンシェントエルフの名に相応しい瞬速でオスのドラゴンに突撃する。まずはこれで2体のドラゴンを引き離す。



すかさずアリシアがメスのドラゴンに魔法を打ち込み、ターゲットを取る。ルジュールもシンに言われたように万が一に備えて抜剣する。



シンはオスのドラゴンを壁際まで押し込む。まさかのドラゴンとの接近戦によるタイマン勝負だがシンにしてみればこんな勝負、「当たらなければどうということはない」を体現したようなもので先ほどからドラゴンの攻撃は1回もシンに当たっていない。



対するオスのドラゴンの体には既に無数の傷が付いており勝負が決まるのも時間の問題だろう。




アリシアもメスのドラゴン相手に1歩も引いていない。常に一定の間合いを保ちながら魔法を途切れさせることなく打ち込み続けている。ドラゴン相手だと一つ一つの魔法はそんなに聞いている様子はないが今はこれでいい。シンが勝負を決めるまでメスのドラゴンにこっちを向かせられればいいのだ。



戦闘を開始してから1時間。遂にシンがオスのドラゴンを無力化した。シンの攻撃は一定以上の実力をもつ相手だと威力が心もとない。手数で攻め続けるしかなくなるため少し時間がかかってしまった。とは言っても他の人に比べれば断然早いのだが。



「アリシア!こっちは終わった!」



「ありがとう!私も頑張る!」



アリシアはスイッチを切り替える。今まで手数で攻めていたがこれからは十分なダメージを通すことができる高威力な魔法を打ち込む。その分魔力の消費量が多くなるがアリシアは聖女。魔力には恵まれすぎている。



ドラゴンが接近しようとすれば顔面に魔法を集中させて怯ませた後、足元を小爆発させるという魔法を利用した移動方法でまた間合いを取り続ける。



予定ではただのドラゴンならもっと力押しができたはずだが今回は持久戦になっている。やはり繁殖期のためにエネルギーを溜め込んでいたのだろうか。しかし、それも終わりを迎える。



シンがオスのドラゴンを倒してから30分ほどでメスのドラゴンも倒れた。アリシアの勝利である。



「やっと終わった……疲れた……」



「お疲れ様」



「私が手を出す必要はなかったな」



「えっと昇華(ランクアップ)ってどんな感じで来るの?」



「ステータスをもらった時と同じ感じで降りてくる」



「そう、あっ、来たわ」



アリシアの身体に何かが降りてくるような感覚が走る。



「確かに昇華(ランクアップ)する前とした後だと魔力の感覚が全然違うわ」



アリシアが感想を述べていると突如3人の前に光の柱が降りてくる。



「な、なんだ?」



その光の柱から出てきたのは、かつてシンが会ったことがある絶世の美女。




「元気してた〜?」




3代神の1柱であり、シンをこの世界に送った張本人、ピトエムだった。





ここまで読んでくれてありがとうございます。


次話は次の日曜日の予定です。


よければ評価等、感想お願いします。


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