表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖槍の光、魔杖の夜  作者: 望月華月
2.5章 閑話のような。
99/103

閑話 グランスロット兄弟の雑談

フェンリスからグレイスロウに帰って、一週間の休暇中。

グランスロット兄弟がわちゃわちゃ喋ってるだけの話。

 グレイスロウの街を一望出来る高台に建つ領主館の奥、領主の執務室に五人の男達が集っていた。

 執務室にある応接用の一人がけのソファに腰掛けているのが絶世の美貌を持つグランスロット家長男、セリオンだ。

 その後ろの右手側に立っている、水色の髪の眼鏡をかけた男が二男のトール、左手側に立つ背が高くガタイが良い、紺色の髪の男が三男のサイレスである。

 セリオンから向かって右手にある二人掛けのソファに座るのが、水色の髪の細身の男が四男、レンティス。左手にあるソファには、紺色の髪の五男、ユリウスが座っていた。

 

「みんなで集合出来るなんていつぶりかな?元気そうで良かったよ」

 

 セリオンがにこやかにそう言うと、レンティスが頬杖をつきながら口を開く。

「ってかなんでトール兄様とサイレスは立ってんの?座ればいいのに」

「私達はこれで良いんですよ、レンティス」

「そうそう。いつもの事だからな」

「僕が落ち着かないんだけど」

「仕方ありませんね。落ち着くお茶でも入れましょうか?」

「トール兄様のお茶は嬉しいけどそういう事じゃないんだけどぉ」

 セリオンは兄弟のやり取りをずっとにこやかに眺めていた。しばらくすると、足を組み直し、膝の上で手を組むと口を開いた。

 

「レンティスは相変わらずだねぇ。そういえばどうだった?ガルディアは」

「うん。ファイフさんはやりやすくて良かったよ。フェンリスの冒険者も動きは悪くなかったし、やっぱりギルマスが変わってから格段に良くなってるよね。まぁ憲兵団はまだまだって所かなぁ。僕の部下にさえ一撃も入れられず終わったから」

「そうか。成長は見込めそうだった?」

「基礎訓練を怠らなければね」

「なるほどねぇ。また近いうちにフェンリスに申し入れてみようかな?あ、今度はうちの私兵を行かそうか」

「いや、それは勝負にもならなそうだから止めといてあげた方がいいよ」

「ふふっ、そうか。仕方ない、陛下の騎士団に役目を譲ってあげよう。彼らにはもう少し精進してもらわなきゃねぇ」

「はぁ、陛下も今頃胃が痛くなってそう…」

「やだなぁ、脅してるみたいに言わないでよ。善意だよ善意」

 セリオンはそう言うと優雅に紅茶を一口飲んだ。


「ユリウスも、久しぶりにレンティスにしごかれたって聞いたよ。どうだった?」

「……久しぶりに死ぬかと思いました」

「あっはははは!レンティスは容赦ないからねぇ!リュカ君も一緒に?」

「そりゃそうでしょ。鍛えがいあって楽しかったねぇユリウス」

「次の日二人共久しぶりに昼前まで起き上がれなかったぞ……」

「んふふ、疲れた顔してた訳だ」

「レンティスがやったなら次は俺もやってみたいな。リュカはどうだった?」

「素直で良いよね!弟が増えたみたいで楽しかったなぁ。リュカ君これから強くなるよぉ。アストレアの騎士なんてそのうち足元にも及ばなくなるんじゃない?」

「それは安心だねぇ、ユリウス」

「……もう二度と遅れは取りませんよ。リュカも、俺も」

「うんうん。その意気その意気」


 トールがセリオンとレンティスのカップにお茶のおかわりを注ぎながらレンティスに視線を向けた。

「そういえば、レンティスはガルディアの歌姫の酒場に行ったんでしたよね。噂通りだったでしょう?」

 トールの言葉に、レンティスは満面の笑みを浮かべて少し前のめりになった。

「いやもう噂以上だったよ、歌姫。歌姫だけじゃなくて、演奏も演出も頭ひとつ抜けてた」

「そうでしょう。いつかグレイスロウ(こっち)の劇場にもお呼びしたいんですけどね」

 

「それはライラちゃん喜びそうだねぇ」


 にこやかにレンティスからライラの名前が出て、ユリウスとサイレスは怪訝な顔をした。 

「……ん?なんでライラが出てくるんだ?」

 

「え?歌姫一家がライラちゃんのご家族だからだけど?」

 

「は?」

 

「僕も聞いてびっくりしたよねぇ。あ、行った時にたまたまライラちゃんも舞台に立って舞踊を舞ってたんだよ。舞台に立ったの十五年ぶりらしいのにそれを感じさせないぐらい綺麗だった」 

「へぇ、ロックリードって聞いた時からもしかしてって思ってたけど、ライラさんも舞踊をねぇ」

「表現力も素晴らしかったし、弟君達の演奏技術も凄かったし、音楽一家なんだろうね。それに本当にライラちゃん面白くって」 

「……ん?」

「ユリウスとパーティ組んだ子だしいい子なんだろうなって思ってたけどさぁ。予想以上に良かったよ。ユリウスはやっぱり見る目があるねぇ」

「……え……?」

 

「楽しかったなぁ……またライラちゃんと話したいなぁ」


 頬杖をついたまま、どこか浮かれた様子でそう言うレンティスを見て、セリオンが困ったように眉を下げながら笑う。

「レンティスが気に入りそうとは思ってたけどここまでとはねぇ」

「んふふ、自分でも驚いてる」

「えぇー……」

 困惑するユリウスだったが、レンティスに狙われてライラが逃げ切れる想像が全くつかなかった為、心の中でライラにエールを送るしかなかった。

 ふと、ボードウェルの宿で、机に突っ伏して動かなかったライラを思い出すと、その原因に思い当たってしまい妙に納得してしまう。

(……うん、頑張って欲しい。色々と……)

 ユリウスは嬉しそうに話をするレンティスを見て、それはそれでアリなのかもしれないと口元を綻ばせた。

兄弟だけで気が緩んで、ポヤポヤと浮かれてる四男。

長男→まぁライラさんなら大丈夫か…うんうん。

二男→あのレンティスがねぇ…

三男→えっ?どういう事?

五男→ライラ、マジで頑張って欲しい。


レンティスお兄ちゃんの閑話はこれで一旦おしまい。


次回は久しぶりの登場人物紹介です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ