FREEDOM DiVE↓ / xi
博士「反重力の靴作った」
私「・・・・・・?」
博士「重力に逆らえるんだよ」
私「なにそれ超ヤバイ」
というわけで、博士からもらったこの靴。
早速履いてみましょう。
・・・・・・・・・・・・。
私、ちょっと浮いてる?
なんかよくわからないけど、体が軽くなった気分です。
背中に羽でも生えたのかと思って、そっと手を回してみたらいつもの背中でした。
がっかり。
ところでこのまま動けるのかしら?
・・・・・・・・・・・・。
あ、歩けますね、普通に。
これ実は浮いてないのではないでしょうか?
・・・・・・・・・・・・。
ごめんなさい浮いてました。
目線高くなった気がするなーとは思ってたんです。
もう完全に浮いてます。
10cmぐらいでしょうか。
せっかくですのでこのまま散歩でもしてみましょう。
もしかして水面を歩けたりするんでしょうか。
・・・・・・試してみましょう。
都合のいいことに、博士の研究所にはプールがあります。
なんだかとっても楽しみです。
・・・・・・・・・・・・。
さて着きました。
年中水は張ってあるので、今すぐにでも試せそうです。
そーっと、そーっと、足をプールに・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
おお、浮いてます。
水面を歩くというか、浮いてます。
考えてみれば当たり前ですね。
今は1mぐらい浮いてます。
試すまでもなくわかる話でしたね。
・・・・・・・・・・・・。
なんだか浮くのが加速してきている気がします。
こうしてる間にももうさっきの二倍ぐらい浮いてます。
楽しくなってきたので、散歩を続行しましょう。
そうですね、手始めに博士の保有する山まで行ってみましょう。
徒歩10分とお手軽コースです。
てくてく、ふわふわ。
てくてく、ふわふわ。
てくてく、ふわふわ。
はい着きました。
あっという間ですね。
しかし山の麓に向かったつもりが、中腹に到着してしまいました。
どうしましょう。
せっかくですので、このまま頂上を目指してみましょう。
頂上から見る景色はすばらしい。
今は日中なので星が見られないのが残念です。
・・・・・・おや、いつの間にか頂上です。
とは言っても私の目線の高さが、ですけど。
うーん、いい景色。
・・・・・・・・・・・・。
おや、博士が私に向かって手を振っています。
口元に手を添えて何か叫んでいるようですが、私の耳には届きそうにありません。
仕方がないので私もにっこり笑って手を振り返しておきましょう。
おーい、博士ー・・・なんて。
そんな間にも私の体はぐんぐんと上昇して、雲に手が届きそうです。
今それぐらいの速さで上昇しているのか検討もつきません。
どちらかというと、まるで落ちているかのようです。
空に、落ちる。
・・・ふふふ、なんて詩的なんでしょう。
なんて言ってたら、本当に雲に手が届いちゃいました。
雲ってとっても冷たいのですね。
せっかくなので、雲と戯れていきましょう。
体は相変わらず落ちていくけれど、飛び込むことは出来るみたいです。
飛び込むポーズ、になるんでしょうか。
えいっ。
ふわっ。
うーん、触れてる実感が温度しかありません。
思ったより楽しくない。
まあ仕方ないですね。
そうこうしてる内に雲すらなくなって、私は今どこにいるのでしょう?
ちょっとお散歩のつもりがこんなに遠くまで来ちゃいました。
ここまで来たついでなので、宇宙にでも行って見ようかと思います。
この靴で行けるのかはわかりませんが。
というか既に宇宙に私はいるのでは?
・・・・・・・・・・・・。
辺りが暗くなってきました。
と思ったら眩い光が向こうから。
あれは太陽ですね。
こんにちは。
ぺこりと頭を下げてみたものの、太陽は私を完全に無視。
失礼しちゃいます。
でも私は怒ったりしません。
太陽もきっと忙しいのでしょう。
いつしか星がきれいに見えるようになっています。
そして大きな月。
なんて美しいんでしょう。
・・・・・・・・・・・・。
美しい、と言えば我らが地球。
なんて青いんでしょう。
こうやって大地を眺めるのは初めてですね。
博士はまだ手を振っているのでしょうか。
私には見えませんが、きっとお昼ご飯でも食べてそうな気がします。
私は既に食べたので、悔しくもなんともありません。
・・・・・・・・・・・・。
どこへ行こうか。
悩んでる間に地球がドッジボールみたいな大きさになっちゃいました。
太陽もグングン縮んでいきます。
ひたすら宇宙へと落ちる私。
このまま次元を超えてどこかへ行ってしまいそうです。
やだ、これって小説書けるんじゃないかしら。
そしてベストセラーになって、印税で暮らしていくのです。
博士にも多少おすそ分けしないといけませんね。
・・・・・・・・・・・・。
ところで私、どうやったら家に帰れるんでしょうか。




