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プロローグ




レティシア・コーレストは、れっきとした『悪女』である。


彼女は、公爵家で生まれた。

そして、幼き頃に、第二王子との婚約が結ばれた。


しかし、彼女はその地位にいても尚、満足することは無かったのである。


将来の王だろうと予測される第一王子の婚約者になり得なかった事を恨み、憎んだ。

第一王子の婚約者を妬み、

婚約者である第二王子は蔑み、

そして、そのような婚約を結んだ己の両親でさえも恨んだ。


何故、私を女王陛下にしてくれないの。

何故、私の思い通りにしてくれないの。

何故、私に相応しくない事ばかりが起こるの。


「私はこの世の中心であるべき。」


レティシアは、そう信じて疑わなかったのである。

故に、周りの人々を、世界を憎んだ。




その野心のままに、レティシアは様々な悪行を働いた。

周りの者達は強い危機感を覚え、ついには、彼女の願いを完全に潰えることにした。




「レティシア・コーレスト。そなたと第二王子との婚約は、破棄とする。」


ーーー王家から遠ざけられ



「レティシア、この婚約を受けるか、修道院に行くか選びなさい。これが最後だ。」


ーーー両親からも見捨てられ



「結婚はするが、我らダンドア家に対して迷惑をかけるようであれば、最終的には修道院へ送る。無論、コーレスト家からの了承は頂いている。大人しくすることだな。」


ーーー田舎者だとずっと馬鹿にしてきた、北の果ての辺境伯に嫁ぐことになった。今まで下に見てきた者に、彼女は蔑まれた。






「こんなの間違っているわ!私が、こんな、何もない田舎にいるなんてッ! 世界が、世界が間違っているのよ、そう、この世が⋯!」


レティシア・ダンドアは、最後まで自分が世界の中心であり、女王陛下に相応しいと信じて疑わなかったのである。










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