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【完結】キミと手を繋ぎたい。オリーブの香る島で。  作者: 咲山けんたろー
第4章 最終章。私が選んだのは――
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エピローグ

 


 そして、半年後。




 私は大学1年生に。陽樹と翔月くんは高校3年生に進学。




 陽樹は、なんと大学進学を考えているそう。卒業したら、すぐ店を継ぐって言ってたのに、急な心変わりでびっくりしちゃった。




 お店をもっと活気よくさせるために、経営学を学びたいんだって。狙ってるところが東京の難関大だったから、もっとびっくりしちゃった。




 この数ヶ月間、私もまた、慣れないことの連続だった。




 大学の履修登録、サークル、バイト……




 授業時間の長さや、新しい交流関係など、新生活で大変なことも多くあった。





 でも、そんな時でも、陽樹とたまに通話をして、心が癒されていく。





 彼は、メッセージでのやりとりが苦手なようだから、たまに通話をしようと言うことになった。相変わらず連絡は多くはないが、それでもたまに聞ける彼の声で、愛情の温度が確かめられる。それだけで凄く幸せだった。






 そして、今日。






 私が大学に入学して、初めての夏休みだ。




 予定は、陽樹との鎌倉デート。今まで私のほうが小豆島に行っていたから、今度は私が案内するという形になっている。年上だから、しっかりしないと。もちろん、予定は入念に立ててある。





 彼のことを考えていると、携帯の着信音がなり、受話器ボタンを押す。





「もしもし?陽樹?」




「ああ……鎌倉駅ついたから。」




「おっけー、すぐ向かうね。」






 電話を切って、私は駅へと向かう。




 数ヶ月ぶりに彼と会える。私は楽しみで仕方なかった。







 ※ ※ ※



 鎌倉駅に着くと、見知った顔が私に手を振ってくる。




「やっほ〜!!ひなこちゃん!」




「え!?翔月くん!?」




 私が驚いていると、陽樹は後ろから息切れしながら話す。




「すまん…雛子。鎌倉行くっつったら、コイツ、聞かなくてさ…」






「え〜?だって、鎌倉案内するって約束したじゃん!忘れたの〜?」




「だとしてもな、人の彼女がいるのにズカズカとくるやつがどこにいるんだよ。ば翔月。」




「うわー。兄ちゃん意地悪。そんなこと言ってると、ひなこちゃんに振られるよ?」






 変わらない双子の掛け合い。




 何があったかは分からないけど、とりあえず一件落着したみたいだ。




 彼らの相変わらずの掛け合いに、私はくすくす笑っていた。





 ※ ※ ※



 小町通りを歩いてると、翔月くんが陽樹の顔を覗き込む。




「てか、兄ちゃんさ〜、大丈夫なの? オレ、心配なんだけど。」




「ひなこちゃん、大学生でしょ?ほら、悪い先輩に食べられちゃうかも…!」




 私は昔からモテないから、別に心配されることもないと思うけど、と思っていたが、なんとなく彼の反応も気になって、チラチラと様子を伺う。




「そんなわけないだろ。」




「ふふ! 翔月くん、私は陽樹一筋だよ。」





「へぇ〜おアツいことで。でも兄ちゃん、女の子の気遣いとか全然だめでしょ?」




 すると、翔月くんが、私の腕をぐいを引っ張る。




「あっ、ひなこちゃん、足元気をつけて。」




「え!? うわっ!? ありがと…危なかった…」




 後から確認すると、ポイ捨てされたごみが落ちていた。そのまま歩いていたらツルッと滑りそうだ。




 私たちの会話に、陽樹は怪訝そうな顔つきになる。




「おい…!翔月…!」




「あっははは!! こうやって、ボーッとしてると、誰かに取られちゃうよー??」






「まあ、でも、こうして、3人で出掛けるのもまたいいね。」




「おい…雛子まで……」




 そして、陽樹だけに聞こえる声で、私は、そっと呟く。






「でも、次は、2人でデート行こうね。陽樹。」


「あ、ああ……。」






 彼は、私の前だと自然と顔が赤くなる。そこが、年下らしくて、可愛い。






 意地悪な小悪魔のように、クスッと笑う。





 すると、遠くから翔月くんの声が聞こえてきた。




「 2人ともイチャイチャしないでよ〜。ここのカレーパンうまそうだよ〜〜!!!」




 私たちが気がついたときは、大分遠い距離にいるようだ。有名店のカレーパン屋の並びについてるようだった。




 彼は、相変わらずのマイペース。




 その様子に、陽樹は、呆れながら怒る。やっぱりこう見ると、双子でもお兄ちゃんだなと感じる。





「ちょっとは遠慮しろ!! ば翔月!!」




「あっはは!! 2人とも待ってよ〜!」




 私は、走って彼らのほうへ向かう。




 バックについている、ミモザのりくちゃんのキーホルダーが、チリン、となった。







 これは、1通のボトルメールから始まった、私と2人の双子との物語。









 私たちは、これからも、あの海のように穏やかな日々を重ねながら、未来へと歩いていく―――。

この結末にしたことで、様々な意見があると思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
ここまで一気に読ませてもらいました。 とても読みやすく、気がついたら最終話でした。 まさに3人とも青春ですね! 評価入れておきますね!
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