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-思い出せない記憶と母さんの態度-5P
カルマンへの借金返済が第一の優先事項だし、その次に母さんへの毎月の生活費やフェルのお小遣い。僕の交友費なんかも差し引かれるから残るセクトは微々たるモノ。その余った分は万一のために貯金しているから、残念ながら高級品をポンポン買える余裕なんてこの家にはない。
「ちょっと今日は、いつも来てくれる卵売りの方から、いい品が入ったって聞いたから奮発しちゃったわ〜」
そんな僕を他所に、母さんはなにごともなかったかのように、にこやかに笑って「早く食べましょ!」なんて軽やかに言う。
その笑顔は一見普通の笑みそのもの。だけど、不自然さが微かに残っている。よく母さんを観察してみると、口角はしっかりと上がっているけど目元には笑みが消えている。まるでなにかを隠そうとしているようなその表情が、無理に作られているように見えて、余計に僕の疑念や違和感を大きくさせていく。
だけど、ここは気付いてないふりをした方がいいよね? 僕はそう思い、
「もう! あんまり無駄遣いしちゃダメよ!」
普段通りに接する。
「気をつけるわ〜」
そんな会話のあと、




