-アリエルの暴走-3P
男はクシャクシャに歪んだ表情で命乞いを続ける。
だけどアリエルの中で辞める気なんてさらさらない。
ただカルマンを傷つけたから殺したい。そんな本能に従順なアリエル、それは相反した感情のぶつかりあい。
命乞いに必死になり、刃物が首筋に這っていることすら忘れていたのだろう。男は首元から血を垂らし、余計にパニックへ堕ちいりながらもこん願を辞めない。
狩られるものと狩るもの。そこにドラマなんてあるはずもなく、あるのは絶望と狂気のみ。
アリエルは男の言葉なんて耳に入っていない様子で、別の手で無造作にクリスナイフを取り出しだし左手で握る。右手にはアンピテーションナイフ──そしてなにをし始めるのかと唾を飲み込んだ瞬間、なんの躊躇いもなく両脇腹に違うタイミングでナイフを突き刺し、高らかな笑い声をあげる。
ここは地獄だ。そう言わんばかりのアリエルの笑い声が悪魔の咆哮の様に避難所内で轟く。
そんな光景を見せられれば必然的にパニックが伝染していく。
「うぐっ……」
痛みを凝らえる様に必死に声を殺し、余裕の笑みを見せる男。 多分、女に殺られるなんてプライドが許さないんだろう。
だけどそれとは裏腹に、血は地面を伝い赤に染めていく。
その光景は




